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最初の数秒だけでは完成しない。一歩進むと見えてくるのが永続的なその人の印象ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

「見た目に気をつかうこと」で仕事もうまくいく。能力や自信を見た目につなげ、ビジネスシーンで自分の価値を高めるための演出法とは。

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基本を知って、違和感のない適正レベルを見極める

 年齢を重ねて、ポジションも上がれば、当然ながら、人から見られる機会も増えていきます。「人からどう見えるか?」ということを気に留めるのは、どんなときも大切なことです。人の目を気にしない、自分は自分であるということを、“個性”という人もいますが、それはプライベートシーンでの話。ビジネスでは、お客様の目があり、同僚の目があり、部下の目があります。男性の視線、女性の視線、年上の見方、年下の見方……、普段、意識せずとも、こうした人の目にさらされているのが、仕事をしている自分なのです。

 もう1つ忘れてはいけないのは、ポジションや年齢が上がるほど、自分にとってマイナスな話は耳に入ってこなくなるという事実です。ある仕事で訪ねた某企業では、わたしも交えたミーティングの席で、数人の社員の人から、「うちの社長、どうにかしてくださいよぉ! 」と口を揃えて言われたことがありました。服装や見た目について、ポジションが上の人には客観的な意見や本音を言えない、ということが手に取るように分かりました。

 さすがに最近では、「見た目よりも中身だよ」と、表だって言う人は少なくなりました。自身で十分な気づかいができている人も増えてはいます。その一方で、「見た目に気をつかうこと」が、「仕事をおろそかにして見た目ばかり気にしている」ことになり、そう見られたくない、という思いが先に立つ、人も少なくありません。知っておいてもらいたいのは、無理をする必要はまったくないということです。大切なことは、まず、基本を知って自分自身が違和感を感じない、適正なレベルを見極めること。それに合わせて「仕事の自信を見た目につなげる」のです。

「自分はどう見られたいのか」を知る窓の役割

 女性に比べて一般的に男性は、鏡を見る回数が少ないものです。増やしてほしい習慣の1つが、意識的に鏡を見ること。食事の後や人と会う前の身だしなみチェックとして、鏡を見ることは、外からの視線に対して、自分がどう見えるかを確かめる行為です。他人の目線を自覚できる唯一の方法が、鏡に自分を映すことなのです。

 これに加えて、もう1つの役割として、「鏡は自分の内面はどう見えるのか、自分はどう見られたいのか、を知るための窓の役目も果たす」ともいいます。とくに人と会うとき、その人にどういうふうに見られたいのか。すべてを任せても期待に応えてくれるようなパワフルな人なのか、相手を説得させることができそうな交渉術に優れた人なのか、一歩踏み込んだ関係を築けそうな人なのかを、はっきりさせることが必要です。そして、鏡でそのように見えているかを自分なりに確認してみます。身だしなみの確認に加え、鏡に映った自分の姿が、思い描いている姿と一致しているか? 出発前に鏡を見ることは、こうした大切な意味合いがあることも覚えておいてください。

 人は誰もが、今まで知らなかった知識を得ることで、新たな自信が生まれます。そして、その自信は、その人を何倍も大きく見せるものです。ビジネスの一線で活躍している皆さまに、仕事はもちろん、見た目にも、イメージにも確固たる自信を持ってほしいとの思いからできた1冊です。出会いがしらの5秒とその後に続く4分を大切にして、今まで以上により良い人間関係を築いていってください。

著者プロフィール:山川 碧子(やまかわ みどり)

国際イメージコンサルタント(AICI ニューヨーク支部会員)。プライムイメージ代表。ファッション専門誌、女性誌などの編集者を経て2006年アメリカで国際ライセンス取得。会社役員、経営者をはじめ、第一線で活躍するビジネスパーソンに向け“仕事の自信を見た目につなげる”外見戦略、身だしなみ、立ち居振る舞いなどのコンサルティングを実施。現場経験を生かした「見た目力」「第一印象」「イメージ」関連を中心としたセミナー、執筆活動も行っている。2月10日、初の著書『4分5秒で話は決まる 〜ビジネス成功のための印象戦略〜』(朝日新書)を発売。


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