戦略を実行する第5ステップ――タクティックミーティングとアクションミーティング:戦略が確実に実行され、業績が上がる組織の動かし方(2/2 ページ)
戦略を実行するためには、ゴールを具体的に描く必要がある。日時や数値を明確に表示し、チームで共有する。さらにゴールに向け戦略を実行に移す。課題を解決しながら進めればゴールが近づいてくる。
戦略を実行に移すアクションミーティング
実際に決まったタクティック(戦略)を実行に移す。その際に大切なのは、ゴールを達成するためにタスクを決め、そのタスクをどのように実行するか、以下のようなことを決めることである。
誰が誰と何をするか
何かをやろうと思っても、1人でできることは限られている。誰に何を任せるか、チーム内で誰と誰が協力して何をやっていくのかを決めていく。これはゴールを達成できるかどうかの鍵になる。人選―適材適所がとても大事になる。
それを誰が確認するか
何かを決めたら、それがうまくまわっているか確認する人が必ず必要になる。PDCAを回していかなければいけない。最初から確認する人を決めておく。
いつからいつまでか
タクティックミーティングと同じであるが、いつからいつまでに何をするかを、しっかりと日付を書いて示しておく。○月中旬や○月末などのあいまいな書き方はせず、○月○日と日付をしっかりと明記する。
何を持って完了とするか
何をしたらそのタスクは完了となるのか、それも明確にしておく。それを決めておかず、「なんとなくやっておきました」となると、完了したのかどうかがわからず、担当者も迷ってしまう。
アクションミーティングは定期的に開催していくことが大切である。なお、以下のような進捗チェックシートを使うと役立つ。
なお、アクションミーティングでは、以下のようなアンケートを実施して、課題を見つけ出すことも必要である。
<課題解決アクションミーティング>
- PDCAサイクルが回っていない
- 営業拠点間の連携にばらつきが目立つ
- 営業活動の成功(失敗)事例が共有されていない
- 本社と営業拠点の意思疎通が不十分である
- 「人を育てる」という意識が希薄である
- 営業方針や戦略が徹底されていない
- 目標達成意識が薄れてきている
- 結果だけでプロセスが軽視されている
- 営業拠点内のコミュニケーションが円滑でない
- モチベーションの低下が目立つ
- 計画を立案した段階で満足してしまい、「実行」がおろそかになっている
- 計画の実行・進捗が効果的な方法でフォローされない
- 計画の実行および結果についての責任者が不在もしくは曖昧になっている
これらの質問を通して課題を見つけ、アクションミーティングを定期的に開催すると、やるべきことが明確になり、とても有効である。
今回は戦略を実行する第5ステップとしてタクティックミーティングとアクションミーティングについてお話しした。次回は戦略を実行する最終ステップとして、戦略を実行してイノベーションを起こすについて解説する。
著者プロフィール
細川馨(ほそかわ かおる)
ビジネスコーチ株式会社代表取締役
外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。
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