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戦略を実行する第5ステップ――タクティックミーティングとアクションミーティング戦略が確実に実行され、業績が上がる組織の動かし方(1/2 ページ)

戦略を実行するためには、ゴールを具体的に描く必要がある。日時や数値を明確に表示し、チームで共有する。さらにゴールに向け戦略を実行に移す。課題を解決しながら進めればゴールが近づいてくる。

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 「戦略が確実に実行され、業績が上がる組織の動かし方」ということにおいて前回は戦略を実行する第4ステップとしてミッションを浸透させることについて話したが、今回は戦略を実行する第5ステップとして、タクティックミーティングとアクションミーティングについて解説する。

戦略をつくる3つの段階

 タクティック(tactic)とは戦略という意味で、タクティックミーティングとは、「ゴールを達成するための中長期的な戦略を策定するミーティング」と考えてほしい。このミーティングを開き、何かを実行するための計画や戦略を練るのである。

 戦略をつくるには次の3つのステップがある。

1、登る山を決める――目指す方向の決定

2、山頂を描く――ビジョンのデザイン

3、登る道を考える――戦略仮説と計画の達成

 これらを行ったうえでアクション、「山に登る」段階に入る。戦略を実行し、ビジョンを達成するのである。

 この3つの段階を理解したうえで、戦略をつくっていかなければいけない。

戦略を決める、タクティックミーティングでは、SWOT(Strengths、Weaknesses、Opportunities、Threats)分析も大切である。

横軸に外部要因として、機会(Opportunities)と脅威(Threats)、縦軸に内部要因として、強み(Strength)と弱み(Weakness)をとり、分析する。


「SWOT分析(サンプル)」

ゴールを明確に描く

 タクティックミーティングでは、「ゴールを確実に達成する」ということを念頭に、次の点について議論していく。

(1)ゴールは何か? ゴールを達成すると、どのような変化が起きるか?

(2)そのために何をするか?

(3)誰に何を任せるか?

(4)ゴールを達成する上での課題と解決策とは?

 このタクティックミーティングのポイントは、リーダー、そしてチームに属するメンバーが、自分自身そしてチームについて、深く考えることである。その際、必ず紙に書き出すことが大切である。紙に書くことで自分の考えが整理され、明確になる。それとともに、後で見てみると、何度もリマインドできるという利点がある。

 タクティックミーティングでは、先に紹介した質問に沿って、紙に書き出していく(箇条書きでよい)が、できるだけ短時間(2、3分)で書くようにする。

なぜ短時間かというと、このパレートの法則が作用するのである。自分がもっとも課題と考えてくることは最初に思いつくはずである。つまり短時間で書くことによって、上位20%のアイディアが出てくる。

 一方で時間を掛けてるとあれやこれやと考えてしまい、あまり重要ではない、さまつなこと――80%のアイディアが出てきてしまう。慣れるまでは多少時間が掛かってても構わないが、極力短い時間で書き出すことを目指してほしい。

 ゴールを明確に描けている人がどれほどいるだろうか。漠然とは考えているかもしれないが、きちんと描けている人は少ないはずである。

 ゴールを達成したい日までにどのような状態になっていたいか、どのような状態になっていたら満足するかについて考えてみる。それを書き出してみることで、ゴールがビジュアル化されるのである。

 ここで大切なのが、次の2つである。

(1)日時を設定すること

(2)定量的に示すこと

 まず、日時をはっきりと設定する。3月末という表現ではなく、3月31日と記すのである。日時を決めると、コミットメントが高まり、やらないといけないと強く意識するようになる。

 次に数値を示す。定量化したものになっていなければならない。数値が明らかになると、ゴールがより明確になる。

 なお、タクティックを考える際に注意しなければいけないのは、世の中の流れである。世の中がどのような流れになっていくのか、そこを見ることが大切である。ビジネスの答えは世の中にある。

 一方で大切なのは、「何をやらないか」である。競合他社のことばかりを考えて、利益率を上げようとしても将来はない。「捨てることである」世の中に合致していることの資源を集中する。それが戦略の本質である。

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