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自動車保険をビッグデータで分析――価格だけでなくサービスにより差別化(2/2 ページ)

早稲田大学 IT戦略研究所は、ビジネスチャンスとしての自動車IT化の加速をテーマに「第42回 インタラクティブミーティング」を開催。損害保険ジャパン 取締役常務執行役員の徳岡宏行氏が登場。「道路運転情報(走行データ)の活用事例 自動車保険“ドラログ”」をテーマに、損害保険会社の現状やビッグデータを活用した自動車保険の将来像などを紹介した。

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 徳岡氏は、「第1世代のUBIは、日本でもすでにダイレクト型の損害保険会社が販売しているが、欧米ではさらにUBIが進んでいる」と言う。

 例えば米国のPROGRESSIVEは、1998年からUBIを販売しており、すでに200万件近くの契約がある。全世界では700万台以上のクルマにUBIが販売されているという。PROGRESSIVEの商品は、通信機器をOBDポートに接続し、走行情報を30日間計測した結果で保険料を決定。急ブレーキや走行距離、運転日時により、保険料が最大30%割引される。

 ドラログという商品名は、「ドライブ(運転)」と「ログ(記録)」を組み合わせた造語に由来する。通信機器で収集した走行データを活用することで、その人にあったサービスや保険料を提供する商品である。まずは日産のリーフでサービスを開始しているが、今後対応車種の拡大も考えられる。

 「テレマティクスでは、走行距離に応じて1%刻みで最大10%の保険料を割引する。また盗難追跡サービス、ウェブ上でエコ・安全運転診断結果や割引率シミュレーションなどを確認できる走行概要フィードバックも提供していく」(徳岡氏)

ドラログは新しい価値提供の第1歩

 自動車から得られる情報は、車両情報や走行情報、道路情報など、さまざまである。一方、保険会社も事故に関する情報やケガに関する情報、契約者の個人情報など、大量のデータを持っている。自動車から取得されるデータと、保険会社の持っている大量の情報(ビッグデータ)を組み合わせることで、新しい価値の創造が期待できる。

 ドラログはその第1歩であり、今後研究を重ね、「クルマ」と「人」にビッグデータを融合させることで、第3世代、第4世代、そしてまったく新しい自動車保険へと進化していくことを目指している。ビッグデータの活用には、個人情報、データの量や質の問題が残っている。またビッグデータを処理するためのシステム構築、分析担当者の育成なども課題のひとつである。

 徳岡氏は、「ビッグデータを活用することで、いかにお客さまの求める価値を見いだすことができるかが大きな課題の1つといえる。しかし異なる性質のデータを組み合わせることで、イノベーションを推進できると考えている」と話している。

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