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日本の少子高齢化はビジネスチャンス――データ分析で2020年以降の日本を元気に(2/2 ページ)

IoTの世界では、さまざまなデバイスでデータが作成され、蓄積されていく。このデータを有効活用することで、ビジネスを差別化することができる。データ分析は、来るべき2020年の社会をいかに変化させるのだろうか。

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クラウドでデータに基づく分析を自動化

 クラウドコンピューティングの登場により、IT投資の体力差がビジネスの参入障壁だった時代は終わった。草野氏は、「以前のデータ分析では、大容量のストレージを調達しなければならなかった。現在はクラウドサービスを利用することでビッグデータも分析できる。いかにITを活用するかという発想力が差別化の鍵になる」と話す。

 たとえば、1つの分析を1人が100回トライアルして結果を得るより、クラウドソーシングを利用して、100人が1回トライアルして結果を得る方が分析時間は短くて済む。草野氏は、「IT投資もインフラのレイヤーから分析のレイヤーまでクラウドサービスを利用できるので、スキルや資本力で差別化できる部分は少なくなった」と語る。

 「全体として安定したポジションはなく、人が変化を読み、コントロールすることには限界がきている。そこでいち早く変化を察知して、即応できる能力が求められる。そのためには、データを集めて蓄積し、分析して、施策に生かし、その結果でデータ分析を繰り返す基本的なデータ活用のサイクルを確立することが必要になる」(草野氏)。

 データ分析の精度を向上させるためには、インプットのデータを増やすことが考えられる。そのためにはセンサーの設置が有効だが、このデータをリアルタイムに蓄積するのはストレージコストの面からも、分析コストの面からも効率的ではない。そこでセンサーが収集したデータをリアルタイムに分析できる仕組みも必要になる。

 リアルタイムの分析は人手では無理なので、機械に分析させることになる。そこでスマートマシン、人工知能、機械学習などの技術が利用される。草野氏は、「今後もデータに基づいて分析を自動化する仕組みが増えていく」と語る。

 ビジネスを改善するためには、どのようなデータが必要なのかを定義してデータを収集する仕組みを実現する力、高頻度な分析サイクルを回す仕組みを構築する力、データ収集と分析を高速化し、自動化し、最適なサービスを提供する力の3つを身につけることが必要になる。

 草野氏は、「繰り返しになるが、ビジネスをソフトウェア化しようという流れは止めることはできず、それに備えることが必要になる。ある研究では、機械によりプログラムを記述する世界もすぐそこまで来ている。ビジネスをソフトウェア化できる会社とできない会社では、その差はどんどん大きくなる」と話している。

ITの知識と分析の知識のバランスが重要

 今後、イメージしなければならない世界を草野氏は、「スマートフォンなどのデバイスが普及したことで、現実世界の中でリアルとネット、オンラインとオフラインが混然となる世界が現実になっている。そこでサービスやデバイスを使い、この状況をデータ化することが必要になる」と話す。

 どのようなデバイスで、どのようなサービスをつくれば、ユーザーのデータを集めることができるのか。現実の世界をデータ化し、分析、可視化することで、それに基づいた新しい価値を生み出すサイクルを回していく仕組みをデザインできる力が求められる。

 草野氏は、「ビジネスを創造するためには、ビジネスのドメインや消費者への深い理解が必要であり、そのためにはどのようなデータ分析が必要で、どのようなアプリを作れば実現できるかというITの知識と分析の知識がバランスよく必要。多くの会社が新しいサービスを生みだし、2020年以降の日本を元気にしてほしいと思っている」と締めくくった。

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