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熱狂しやがれ!ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

仕事を面白くする唯一の方法は熱狂することだ。どうしたら部下を熱狂して働かせることができるか。

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現状維持で未来があると思うな

 最近の若者は、出世など望まずそこそこの生活ができればいいと考えている、という指摘がさまざまな調査結果から指摘されている。一方、米デューク大学のCathy Davidsonの研究によると「2011年度にアメリカで入学した小学生の65%は、大学卒業時には今は存在していない職に就くだろう」と指摘している。

 つまり16年後には、いまある職業のうち35%しか残っていないということだ。あなたが変わらなかったら、あなたの仕事がなくなるのだ。可能性を広げるためには、われわれは絶えず変化し続けなくてはいけないのだ。

 過去から現在への変化を成長、と呼ぶ。

 現在から未来への変化を可能性、と呼ぶ。

優先順位は、人生への重要度によって決めろ

 「熱狂すること」とは、なにも、仕事人間になることを推奨しているわけではない。もちろん仕事に割く時間とエネルギーは相対的に大きくなるが、仕事以外にも、家庭、友人付き合い、遊び、それらのすべてにおいて精力的に取り組もうということだ。

 1日はたったの24時間しかない。

 その中で仕事を全力でこなしつつプライベートも充足させたいなら無為な時間をすごす暇などないのだ。あなたの時間という、容量が決まっている瓶の中に何を先に入れるかで、あなたの人生は決まってくるということだ。もちろん時にはガラス瓶が仕事で溢れてしまう日もあるだろう。かつての私も20代のころはそうなってしまうことも多かった。

 しかし、一年中溢れてしまう状態だったらどうなるか。

 いつも仕事が優先で、プライベートは後回しだとすると、友人、恋人、家族は、あなたのことをだんだん信用しなくなる。自分は優先順位が低い存在だと感じられるからだ。

 スティーブ・ジョブズの遺した有名な言葉はご存じの方も多いだろう。

"If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?"(もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは本当に自分のやりたいことだろうか?)

成果に結びつく努力をしろ

 人より多く残業をしている人(その多くは今やサービス残業となっているであろう)が、成果を上げている例はむしろ希だと言える。彼らとしたら、「自分はなんでこんなに頑張っているのに業績が上がらないのだろう?」と苦悩しているはずだ。

 重要なのは、勤務時間の「長さ」でもない。

 その「方向性」と「質」だ。

 例えば私は高校生の頃、正にきれいなノートを作るのに膨大な時間を掛けていて、受験に必要な勉強をしていなかった。結果、一校も受からなかった。浪人して予備校で、受験に必要な勉強の仕方を知り、それからは圧倒的に少ない時間で効果を上げていった。そんな経験は私だけではないだろう。

結果を出すためには努力の焦点を絞れ

小学校の時、太陽光を集めてレンズで紙を焼いた経験があるだろう。

コツは、いかに焦点を絞るか、だったはずだ。どうしたら、成果に結びつくかを徹底的に意識する、人に聞く、盗む。そして、それにつながらないと思ったら、やらないことだ。

あとは、泥臭く、一生懸命やれ

一見、楽そうな人も陰で人知れずものすごい努力をしている。仕事にせよプライベートにせよ、何事も小手先で上手くごまかそうなどと思っては行けない必ずボロが出る。

 熱狂するからこそ努力は自分の血となり肉となる。そしてそれが自信を生み、本番で力を与えてくれる。スポーツ選手が好んで使う「努力は決して裏切らない」というセリフ。あれは真理だ。

 人が熱狂している姿は格好がいい。そんな生き様を長年続けていると、それはその人の背中に現れるものだ

 以上が「熱狂しやがれ」(ワニブックス)第1章生き方編のサマリーだ。2章以下は「熱狂」を実践するための各論を述べている。

2章:自分の価値を高めやがれ

3章:社外でも存分に熱狂しやがれ

4章:熱狂するための味方を増やしやがれ

5章:折れない心を持ちやがれ


 ぜひ、お読みいただき、あなた自身そしてあなたの部下、後輩に熱狂してほしい!

著者プロフィール:小杉俊哉

慶應義塾大学SFC研究所上席所員、立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科客員教授、合同会社THS経営組織研究所代表社員

早稲田大学法学部卒業。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院修士課程修了。日本電気株式会社、マッキンゼー・アンド・カンパニー インク、ユニデン株式会社人事総務部長、アップル株式会社人事総務本部長を経て独立。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授を経て現職。専門は、人事・組織、キャリア・リーダーシップ開発。組織が活性化し、個人が元気によりよく生きるために、組織と個人の両面から支援している。

著書に『2%のエース思考』(ワニブックス)、『起業家のように企業で働く』(クロスメディア・パブリッシング)、『30代の働き方には挑戦だけが問われる』(すばる舎)、『リーダーシップ3.0-カリスマから支援者へ』(祥伝社新書)など多数。


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