ジムへ行けば若くなるというわけではありません。やり方が間違っていると、相変わらず、おじいさんのままです。努力しているのに、若く見えないのです。
ダンスを習いに来る人で、足がつって、しゃがみ込んでしまう人がいます。それは足の筋肉がなくなっているからです。若い人とおじいさんとの差は、足の筋肉の差です。フィギュアと同じで、上が重くて下が軽いという形になると、よけいにバランスが悪くなります。
筋肉は下から積み上げていくものです。まずは足を鍛えることが大切なのです。
二流は、息を吐いた時に、おなかが膨らむ。一流は、息を吸った時に、おなかが膨らむ。
人間は、呼吸を1日2万回しています。こんなにすごい運動はありません。いちいちジムに行かなくても、毎日2万回のトレーニングをしているようなものです。
呼吸の仕方も、間違っている人と正しい人とに分かれます。呼吸をした時に、おなかがいつ膨らむかです。実際に試してみると、分かります。ほとんどの人が、吐いた時におなかが膨らみます。おなかが緩んでいるのです。
吸った時におなかが膨らむ人は、横隔膜まわりの筋肉がきちんと使われています。インナーの腹斜筋が使われて、骨盤底筋まで含めておなかが膨らんでいるのです。吸う時におなかが膨らんで、吐く時におなかがへこむのが、一流の人の呼吸法です。
中谷塾では、ほとんど全員が吸う時におなかがへこんで吐く時に膨らんでいました。これをしていると、体はどんどんおじいさんになっていきます。
2万回の呼吸を、意識してすることはできません。まず、1回だけ意識して、吸う時におなかを膨らませてみます。この時、極端におなかを膨らませるぐらいでちょうどいいのです。ほとんどの人は、自分では膨らんでいるつもりでも、外から見ると、大して膨らんでいません。
おなかを膨らませる時は、背中を前に押さないようにします。背骨は、真っすぐなままです。背筋を使っておなかを膨らませると、腰を痛めます。おなかが膨らんでいるというよりも、ただおなかを出しているだけになります。
腹斜筋から骨盤底筋まで使って、おなかを膨らませることが大切なのです。寝転がって、本をおなかに乗せてみると、自分がどちらの呼吸をしているかが、よく分かります。練習も、本をおなかに乗せると正しくできます。回数をたくさんするというよりは、気がついた時、スイッチを切り替える感覚でするのがいいです。
体を鍛えるのではなく、脳のスイッチを入れ替える感覚です。若い人は、脳のスイッチが若い方に切り替わっているのです。
著者プロフィール:中谷彰宏・作家
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。
【中谷塾】を主宰。全国で、セミナー、ワークショップ活動を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。
著作は、『なぜ あの人はいつも若いのか。』(秀和システム)など、1030冊を超す。
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