リストラの5万人。選ばれた6000人。違いは「ラクして速い」仕事術:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
力の入れ所と抜き所を押さえ、最速で仕事を進めよう。
だから、苦手意識があってもなくても、距離を置いたり、報告を怠ったりすると、「自分のことを大事な存在と思っていないのでは?」と疑いの芽が出てくるものです。その芽は徐々に、あなたが「ダメなヤツ」という認識にすり替わっていくので危険です。
逆に、どんな小さなことでも報告や確認を怠らない人は、「私を大事な存在と認めてくれている」と、信頼感が高まるのでやったもの勝ちなのです。
短い打ち合わせは10回もかからないうちにOKとなるものです。トータルのミーティング時間も減ります。さらに相手からは「すぐ確認してくれるので、信頼できる。かわいいヤツだ」と評価も上がるのでお得です。短い打ち合わせの切り出し方にはコツがあります。「指示通りにしましたが、これでいいでしょうか?」と、ミスがあれば相手が悪いという印象を与えてはいけません。
「確認ですが」と言えば誰も嫌な顔をしない
切り出しには、「1つ確認ですが」という言葉が便利です。これなら、理解の行き違いがあったときでも、誰かの責任を問われることはありません。「確認」なので、違っていれば修正すれば大丈夫です。
誰かの責任の話になると、言った、言わなかったなど、不毛なやりとりで時間がとられます。モチベーションも落ちます。「確認」なら、作業の話に集中できるので打ち合わせも効率的になります。
確認は、1つでも重要な箇所が出たらすぐやりましょう。
複数の確認点が出てからだと、それまでの作業がムダになります。「間違っているのにムダに作業した使えないヤツ」と悪いレッテルを貼られたら損です。相談を受ける相手の立場で考えると、たくさん確認事項があると、対応がおっくうになるものです。確認点は多くとも3つ以内にとどめましょう
最後に
仕事を1秒でも早く完結させるためには、結果につながらないムダな努力を全て排除する必要があります。本書『「ラクして速い」が一番すごい』は、誰でもすぐできる仕事のコツを56項目解説しています。ムダな努力は次の5パターンに分類でき、各章として解説しています。
(1)一生懸命頑張るけれども、やり直しが多い→1章:一発で決める
(2)全てに全力投球で、疲れ果てる→2章:スパッと割り切る
(3)責任感を持ちすぎて、仕事を抱えすぎる→3章:抱え込まない
(4)根回しに労力と時間をかけすぎ、疲弊する→4章:組織の「壁」を利用する
(5)上司の指示通りにやるが、結果が伴わない→5章:自分で「できる」ようになる
この本を活用すれば、結果につながらないムダな努力を排除できます。ちょっとしたアプローチの違いで、あなたの仕事だけでなく、周囲の人間の生産性も向上させることが簡単に誰でもできるようになります。
実は、この本で解説する仕事術を実践すると、自然とあなたのパーソナルブランディングやキャリアアップにつながります。力の「入れ所」を解説した本はありますが、力の「抜き所」を教える本はあまりありません。最初から読んでもいいですし、気になるところからペラペラめくって読んでも分かるように書きました。
効率的な仕事、充実した私生活、人生の多様な選択肢。あなたが、これら全てを手に入れることを約束します。ぜひ、本書を読み進めてみてください。
著者プロフィール:松本利明
人事戦略コンサルタント HRストラテジー代表 日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員。
PwC、マーサー、アクセンチュアなどのプリンシパル(部長級)を経て現職。日系・外資系の大企業から中堅企業まで600社以上の「人事」と「働き方」改革を実施。5万人のリストラと6000人以上のリーダーの選抜と育成を行った「人の目利き」。
『「稼げる男」と「稼げない男」の習慣』(明日香出版社)もベストセラー。
英国BBC放送、ロイター通信、日経、AERA、週刊SPA!などメディア実績多数、講演多数。
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