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いくつになっても「求められる人」の小さな習慣ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

40歳を過ぎると、転職や再雇用という話が出てくるが、そこで求められる人になるにはどうすればいいのだろうか?

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 お客さまは、お店の人に「すみません、次にやりますから」と言ってもらえると安心します。商品が来なくても、列が前に進まなくても、そのひと言で「ちゃんと気を付けてくれているんだな」と思えるのです。

 締め切りに関しても、「今はこんな状況ですから、○○日後になります」という連絡があると、ほっとします。「連絡するヒマがあったら、締め切りギリギリまで頑張る」というのは仕事をする側の論理で、相手にストレスを与えます。

 対お客さまでも、対上司でも同じです。「私はこんなに一生懸命仕事をしています」と思い込んでいると、上司のストレスを取り除くことを忘れてしまうのです。

 部下は、上司のストレスの防波堤になることが大事です。

めんどくさそうな気配が、信用を落とす

 仕事を頼んだ時に、「めんどくさそうな対応」をされることがあります。

 上司から部下だけではありません。部下から上司にでも、あります。返事一つ、立ち上がり方一つ、全ての動きにめんどくさそうな気配が漂っているのです。

 それが上司のストレスになります。

 その分かれ目が、「ハイ」と「ハァイ」です。「ハァイ」という返事をされると、「忙しい時に悪いことしちゃったかな」「今ここで言っちゃいけないのかな」と、上司は気を使います。

 「今、忙しい?」と聞かれている時点で、返事が「ハァイ」になっていたことに気づいた方がいいのです。「ハイ」と「ハァイ」は、圧倒的に違います。「私はめんどくさそうにしていません。忙しそうにしているだけです」と言う人がいます。

 実際には、忙しそうにしている人は、めんどくさそうに見えます。求められる人になりたくて、部下はつい忙しそうにしてしまいます。「私はこんなにやっている」と、アピールするのです。

 ミーティングのアポの打ち合わせでも、「今からでも大丈夫です」と言って「おまえ、ヒマなのか」と思われたら困るので、忙しぶりが始まります。なんとなく忙しぶることが能力を見せるアピールポイントだと思い込んでいるのです。

 これは大きな勘違いです。

 求められない人は悪い人ではありません。求められるポイントを勘違いしているだけのことなのです。

 めんどくさそうにしないことが、求められる人の習慣なのです。めんどくさそうにすることで、雑用を減らしたいと思うなら、その作戦は成功です。めんどくさそうにする人に、仕事を頼まなくなるからです。仕事を減らすためには、求められない人になればいいのです。

 頼む側は、めんどくさそうにされることで、「ああ、この人は、『求められない人』を目指しているんだなと感じます。「なら、希望通りにしてあげよう」と、求めなくなります。

 もし、「求められる人」になりたいのなら、仕事を増やそうと考えることです。

 「求められる」とは、めんどくさい雑用が増えるということなのです。年齢を重ねるほど、「求められる人」と「求められない人」しかいなくなります。

 真ん中の人はいないのです。格差が、どんどん広がります。どちらに入るかは、自分自身で選んでいるのです。

著者プロフィール:中谷彰宏 作家

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂勤務を経て、独立。91年、株式会社中谷彰宏事務所を設立。

【中谷塾】を主宰。全国で、セミナー、ワークショップ活動を行う。【中谷塾】の講師は、中谷彰宏本人。参加者に直接、語りかけ質問し、気づきを促す、全員参加の体験型講義。

著作は、『いくつになっても「求められる人」の小さな習慣』(青春出版社)など、1,070冊を超す。


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