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平成と令和で変わった「稼げる人稼げない人の習慣」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

令和の時代の稼げる人は「ワンピース・ジョジョ型人材」。

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稼げる人は相手の期待を「少しだけ」上回り、稼げない人は「完璧」を目指す

仕事の「力の入れ所」と「抜き所」をおさえる

 全ての仕事の作業を同じレベルや密度で行うと、速度は遅くなって、量もさばけません。すなわち仕事には、力の「入れどころ」と「抜きどころ」があるのです。

 稼げる人は、最初に納期、品質、用途など、相手の期待値を確認します。

 経営会議の資料を全部つくってほしいのか、ざっとたたき台をつくってほしいのか、Excelで表とグラフをつくってほしいのか。目的とゴールは、あなたではなく依頼者が持っています。求めていることは、必ずしも完璧ではなく、速さかもしれないので、自分で判断することは危険です。

 しかし、仕事を依頼する人の顔色をうかがい、ちゃんと趣旨を聞かずに「分かりました」と受けてしまうケースが日本企業では多く見られます。

 聞くことは30秒で済みます。

 いったんやり直しになれば、仕事で使った工程数が無駄になるだけではなく、本来違う仕事をやる予定だった時間も奪われます。さらに依頼者からは、「仕事ができない奴だ」と、マイナスの評価をされてしまいます。

 私がかつて勤めていた会社の上司が「一晩徹夜をして提案書を仕上げた」というので、資料を見せてもらいました。キーとなるポイントを強調するだけでいいはずなのに、全体のグラデーションがキレイではない、という理由で一晩かけて調整したとのことでした。

 この上司は、たった3カ月で降格になりました。力の入れどころと抜きどころがズレている人は、全てがこの調子です。依頼者や相手の期待を「自分で思い込む」前に確認すれば、無駄な手戻りはなくなります。

分かっていない相手の指示には納期と品質の仮説をぶつける

 依頼者の中には「やっといて!」と曖昧なまま仕事を振ってきて、期待値を突っ込んで聞くと嫌な顔をする人もいます。依頼者自身がアウトプットのイメージを持っておらず、期待に応えられないケースもあります。

 このような場合は、逆に依頼者の状況を想定して「こういう目的であれば、いつまでにこのレベルでできればいいですよね」と、仮説をぶつけてみます。

 分からなくても相手の立場で真剣に考えた質問や提案は、100%ヒットすることはできなくても、かすめることはできます。かすめた質問は、依頼者の思考に刺激を与え、動かします。

 一から全部考えて指示することは、意外と負担がかかるものです。質問やたたき台となる提案があれば、それをもとに判断できるので、依頼者の負担はグッと減ります。一からの指示を期待できない場合は、こちらから提示してあげるのが最も早く、確実です。

上司には「できません」と言わず、「どうすればできるか」を言う

 また、上司は自分の「命令」に従順に従うことを求めてきます。つまり上司は命令を聞くのか聞かないかを重視するので、「できません」は通用しません。

 自分がどうしても忙しいときには「今担当している仕事の納期が明日の11時で動かせません。11時以降に着手して16時までに仕上げるとなると、チャートなどの作業を○○さんにお願いしてもいいですか?」など、現実的な形でどう仕上げるかを、周りのメンバーや上司に協力してもらうことも視野に入れた仮説を提案するといいでしょう。

期待をちょっと上回ると相手は喜ぶ

 大事なことは、相手の期待値を確認した上で、ちょっとだけ上回ることです。コツは納期より少し早く対応してあげることです。依頼者は予定より早くもらえることが、一番うれしいのです。仮に多少不足があっても、予定納期内でリカバーできるので「安心」してもらえます

 というように稼げる人と稼げない人の習慣を比較しながら、稼げる人になるために、「稼げる人は、納期より少し早く仕上げる!」など、いますぐできる具体的なポイントを各項の最後にまとめています。

表のメリットだけでなく裏のメリットが大きい

 最初から順番通りに読んでも結構ですし、パラパラとめくって、気になったページから読み始めても分かる構成になっています。

 あなたが、本書を読み終えたあと、キャリアや仕事で確実に前へ進み、稼ぎ続けられるようになることを約束いたします。なぜなら、稼げる人になれば、自然とパーソナルブランディングができるからです。社内、転職含め「自分で自分を人事異動」できるようになれば、あなたらしく、認められ、やりがいを感じ、欲しい時に欲しいチャンスと報酬をつかめるようになります。ぜひ、一度手に取ってみてください。

著者プロフィール:松本利明

人事戦略コンサルタント HRストラテジー代表 日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員 HR総研客員研究員 東京ワーキングママ大学 アドバイザー。

PwC、マーサー、アクセンチュアなどのプリンシパル(部長級)を経て現職。日系・外資系の大企業から中堅企業まで600社以上の「人事」と「働き方」改革を実施。5万人のリストラと6500人以上のリーダーの選抜と育成を行った「人の目利き」。

「誰もが、自分らしく、活躍できる世の中」に近づけるため、自分の持ち味を生かしたキャリアの組み立て方を学生、ワーママ、若手からベテランのビジネスパーソンに教え、個別のアドバイスを5000人以上、ライフワークとして提供し、好評を得ている。

代表的な著作に『「ラクして速い」が一番すごい』(ダイヤモンド社)と「稼げる人 稼げない人の習慣」(日経新聞出版社)、『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)がある。英国BBC放送、ロイター通信、TBS、日経、東洋経済、AERA、週刊SPA!などメディア実績多数、講演多数。


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