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第11回:世界の潮流は「これからのリーダーはEQの高いリーダー」。日本にも根付くか?マネジメント力を科学する(2/2 ページ)

グローバルの人材会社であるアデコ社が2020年に、世界8カ国で「パンデミック後に何が変わるか」を調査した結果「これからはEQの高いリーダーが求められる」とある。さて日本では……。

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 建前ではなくて本当の気持ちを伝えたり、本音・素のままのコミュニケーションをとろう、日本が得意としてきた「仕事に人間味」を持たせるような仕組みを構築しようと言っています。

 さらにはメンタルや健康も大事だと。これからのリーダーは従業員の健康を見守ってあげないといけません。リーダーシップとか経営者の在り方、心構えが昔と変わってきたと高山さんはトークライブ中に言っていましたが、僕自身も全くその通りだと思います。

 しかしその一方では、アメリカでもまだまだ、旧来型の「パワーマネジメントだ」「統制と管理、競争、強い指示、命令じゃないと成果は出ない」という考え方が根強くあるのも現実です。その二極化が見られますが、明らかに今後に向かう流れは前者にあることは間違いありません。

日本でも見られる、マネジメントスタイルの二極化

 日本でもマネジメントスタイルの二極化は顕著に見られます。

 スタートアップでは欧米の新たな潮流と同じようなところを大切にしている会社が多くみられ、そうしたスタートアップは急成長しているところも非常に多くあります。一方ではレガシーな大手企業では「伝統的価値観」が根強く残っているところがあるように感じます。しかしその大手でもいま、ダイバーシティとか「心理的安全性」をすごく積極的に学ぼうという動きがあります。

 高山さんのところにも、EQに関して「心理的安全性」の観点から相談や講演・研修の依頼がここのところは非常に多く続いているそうです。

 相談では、メンバーが言うことを聞かないし、自分で考えないし、指示命令しても動かないし、言ったことができない。こういう悩みを抱えながら、「心理的安全性」とかダイバーシティとかハラスメントを考えなければならないのですから、現場リーダーは大変ですね、と高山さん。

 そのはざまにいて苦しんでいるマネジメントからすると、「そりゃあ、できりゃやりたいけど、そうはいかないんだ」という思いがあるのですよね。「偉そうなことを言うなら、お前が来てやってみろ!」と(苦笑)。


 欧米では明らかに、それがデファクトであるように求められるようになった「EQの高いリーダー」。日本ではまだまだという側面も見られますが、その潮流は日本にも急速に根付いていくに違いありません。

 次回は、その流れに橋を架けるような側面を意識しながら、改めてEQとはについて解説します。

著者プロフィール:井上和幸

株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEOに

早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。その後、現リクルートエグゼクティブエージェントのマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援などを提供している。2021年、経営人材度を客観指標で明らかにするオリジナルのアセスメント「経営者力診断」をリリース。また、著書には、『社長になる人の条件』『ずるいマネジメント』他。「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「産経新聞」「日経産業新聞」「週刊東洋経済」「週刊現代」「プレジデント」フジテレビ「ホンマでっか?!TV」「WBS」その他メディア出演多数。


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