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神社参拝で幸福度向上 経営者やリーダー層が神社に参拝すべき理由とはITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(2/2 ページ)

初詣や厄除け、厄払いなど、何かと神社に参拝する機会は多いもの。実はその神社参拝が、幸福度の向上や仕事の成功に結びついているのかも……。社会心理学者の八木龍平氏が、神社参拝で得られる“ご利益”について話す。

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マーケティングにも役立つ神社仏閣への参拝

 八木氏によると、神社仏閣への参拝はマーケティングにも役に立つという。ある教育関係の企業の営業担当者の話だ。あまり成績の良くなかった彼女は、あることをして営業成績ナンバー1になった。それは何かというと、営業担当となった地域の氏神様へ参拝してから営業活動を行ったのだ。

 「神社を参拝することで営業成績が上がることも、論理的に分析できます。神社に参拝することで、人間一般への信頼が向上します。その地域に暮らす(潜在)顧客のいい面に気づくようになり、顧客を愛するようになります。顧客の役に立ちたいという貢献意欲が増し、いい提案を持っていくようになることで、結果的に業績が向上するんです。神社仏閣への参拝により、顧客のためにより行動するようになり、仕事にも役立つのです」(八木氏)

 八木氏が400人を対象に年間の神社参拝回数、幸福度と年収の関係を調査した結果がある。その結果を見ると、予想どおり、年収と幸福度は基本的に相関関係にあった。しかし、そこに、神社の参拝回数をあわせてみた場合、神社「0回」の人は、年収の多寡を問わず幸福度が低いことが分かった。

 「年収1500万円以上、参拝0回」の人の幸福度は約3.2となる。「年収500万円未満、参拝2回」の人の幸福度が約3.5となるので、「年収500万円未満、参拝2回」の方が少し幸福度が高いということが分かる。

 また、内閣府が令和元年に行った意識調査「満足度・生活の質に関する調査報告書」によると、総合的な生活満足度がもっとも高いのは世帯年収2000万〜3000万円の家庭で、世帯年収1億円以上の家庭よりも高いという結果が出ている。この結果から分かるのは、ある程度の年収に達すると、満足度はピークに達してしまうということだ。年収が1億円以上あったとしても、年収700万〜1000万の人と満足度は変わらないか、もしくはそれよりも低い場合がある。

 では、なぜ一定以上の年収を超えると幸福度は下がるのだろうか? 神社仏閣に参拝する富裕層は幸福度が高い一方で、参拝しない富裕層は幸福度が低いという神社参拝の回数も合わせて考えると、理由が分かってくる。

 神社仏閣への参拝をしていない人は、人への信頼度も低く、互恵性や利他性が薄い状態にある。人が信頼できない状態でたくさんのお金を持っていると、奪われてしまうのではないかと恐怖を感じてしまうのだ。しかし、人を信頼できる状態で人に貢献したいという思いや「おかげさま」という意識があれば、むしろお金があることをうれしいと感じられる。

顧客にも自社にも利益になる成果を出したい、そんな経営者は神社へ行くべし!

 人への信頼が不足していると、生活に必要以上の金銭は幸福度を下げてしまう。神社仏閣・地蔵に参拝する効果として、人間一般への信頼が向上し、さらに互恵性、利他性も向上することで、より幸福に感じられるようになるのだ。

 「自分だけでなく、他者にも幸せになってほしいと考えている人や、顧客にも自社にも利益になる成果を出したい人、収入がいくら増えても幸せでありたい人、収入や地位に関係なく満足して暮らしたい人。このように考えている人は、ぜひ神社仏閣・地蔵に参拝してみてください。周りの人を信頼して過ごせるのは幸せなことだと感じられるはずです」(八木氏)

 会社経営と神社参拝、まったく異なると思われるテーマだが、データで見ると意外な関連性を見いだすことができると結び、八木氏は講演を終えた。

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