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東京、11月に行くべき無料のアート展3選タイムアウト東京のオススメ

東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。

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 街歩きが心地よい季節。今回は11月に開催する芸術の秋にぴったりの無料のアートイベントを紹介します。入場無料で鑑賞できるアート展示を揃えました。アート尽くしの秋をお過ごしください。


左から:野口哲哉「RING AND MAN」2024年、 中村萌「sprouts of spring」2022年、ヒグチユウコ「はる」2022年、水野里奈「暖かな晴天の日」2022年(全て一部)

 「ポーラ ミュージアム アネックス」で、能登半島地震への支援を目的としたチャリティオークション「Place in my heart」展が開催されます。期間は2024年11月8日(土)から12月1日(日)まで。本展は「ふるさと、故郷、HOME」をテーマに、22人のアーティストが1点ずつ、オリジナル作品を制作しました。

 作品は、会場で鑑賞できると同時に、サイレントオークション形式でオンライン入札ができます。また、ドローイング作品の抽選販売も行い、販売収益全額は日本赤十字社「令和6年能登半島地震災害義援金」へ寄付する予定です。

 出展作家は、鈴木ヒラク、中村萌、流麻二果、野口哲哉、ヒグチユウコ、水野里奈などが参加。各アーティストが表現する本テーマは、心の中にあるよりどころとは何かを問いかけてくるでしょう。


《RED》 2024 映像インスタレーション(マルチチャンネル) photo by 小川尚寛

 次に紹介するのは、アーティスト・渡辺志桜里の個展「渡辺志桜里 宿/Syuku」です。2024年11月6日(水)から12月26日(木)まで、「資生堂ギャラリー」で開催。渡辺の代表作をダイナミックに展開するとともに、「動き」によるパフォーマンスアートが不定期で行われます。

 渡辺は、外来種や絶滅種といった人間と自然との間に生じる衝突を想起させるモチーフに焦点を当てることで、人間同士にはらむ課題を暗示する作品を多く手がけてきました。

 今回は、水槽やプランターなどをホースでつなぎ、水やバクテリアを循環させて自律した生態系を構築する代表作『Sans room』を、過去最大規模で展示します。また、渡辺が加藤眞悟や安田登(ともに能楽師)、ドミニク・チェン(情報学研究者)らとともに制作した新作能を、映像・サウンドインスタレーション作品として展示。ここだけの特別な空間にぜひ足を踏み入れてみてはいかがでしょう。


Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts, Photo by Kiyotoshi Takashima

 作品の変化を楽しみたいなら、「藤本由紀夫 BLOOM’S BROOM」がおすすめです。2024年11月22日(金)まで「シュウゴアーツ」で開催中。ギャラリーに800枚の素焼きタイルを敷き詰めた作品『BROOM(TILE)』を東京で初めて発表しています。

 本作は来場者がタイルの上を歩き、その重みで徐々にタイルが音を立てひび割れていく過程により成立します。体は常に重力によって地球の表層に触れ、摩擦や振動によってさまざまな音が生じます。本作品を体験することで鑑賞者は知覚に新しい感覚を引き起こすでしょう。

 また、藤本が長年制作を続ける『SUGAR』シリーズの新作も発表。角砂糖をガラスのチューブに詰め、回転させることによって徐々に砂糖がぶつかり合って崩れ、最後は真っ白な粒状の姿へと変化します。

 重力や回転力という目に見えない自然の力によって、人工物が別の姿へ変容していく様から、日常と捉えている事物の在り方を問いかける本展。ぜひ、会場で作品を体感してください。

 「東京、11月に行くべき無料のアート展8選」では、さらにアート展示を紹介しています。是非チェックしてみてください。

著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部

タイムアウト東京は、ロンドンを中心に、ニューヨーク、上海、クアラルンプール、テルアビブ、アムステルダム、シドニーなど、世界108都市39カ国に広がるメディア、タイムアウトの東京版です。「本当に素晴らしいものは、世界のどこであれ誰であれ感動を与えてくれる」という考えの下、日本の優れたヒト、モノ、コト、コンテンツ、サービスを英語・日本語のバイリンガルで発信しています。


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