宋文洲氏が語る日中の違い「日本人は個人の自立が足りないよ」(2/2 ページ)
中国人の疑問「豊かな日本、これからどこへ行く」
「中国人からすると、日本はこれだけ豊かになって、何を求めて生きていくのかと思っている」という厳しい指摘も飛び出した。同氏が来日して20年ほどが過ぎたが「当時に比べて日本の若者は興味を失っている」と感じているという。
「日本の個人は目標を喪失し、国としてどこに行こうとしているのか」
「中国人はただ貧乏から抜け出したいと思っている。日本のものを輸入したいというのも、ハイクオリティーなものが欲しいだけで、それ以外は中国製品の方が安いから、それでいいと思っている」
「このままだと、日本はハイテクやハイクオリティーなものしか接点が持てなくなる。この差はいずれ埋まってくるのに。日本は先進国相手にしかビジネスできなくなっちゃうよ」
宋氏は、華僑のような個人のパワーを中国に学べるのではないか、と考えている。「日本人には、国家や企業に依存しない自立が必要。強い国というのは強い個人の数で決まるもの。もはや日本の中だけで商売をやっていくのは不可能なんだから、中国が好きでも嫌いでも飛び込んでいってほしい。ソニーのような企業の駐在員としてではなく、もっと個人として中国に来て、ビジネスを興す人がもっといてもいいと思う」
日本企業は時にはトップダウンを
アナリストの沈氏は、日中のビジネスの違いとして国民性と意思決定の違いを指摘した。
「中国は個人主義で能力主義。どちらかというとアメリカに近い。日本はチームワークを重視する。また、意思決定も違う。日本はボトムアップだが、中国はトップダウン。これもアメリカに近い」
ボトムアップには慎重さという良さがある一方で、意思決定までに時間が掛かる。どちらが良いというわけではないが、グローバルでやっていくにはトップダウンで迅速に動くことが必要な場合もあるという。
「中国に進出する日本企業は、まず課長さんが下見に来て、部長さんに報告する。そして部長さんが中国に来て、本部長が来る。社長さんが来るころには、別の外資の企業にすでに取られてしまっていたということがある」
「日本企業はもはや国内だけでは飯は食えない」
また、沈氏は「日中のビジネス関係は別居中の夫婦みたいなもの」と表現。相互依存が進み、離れようにも離れられない関係になっており、日本企業は中国やアジアの視点を持つことがますます大切だという。
「日本企業はもはや国内だけでは飯は食えない。海外市場の開拓が必要だ。特に中国は、2010年には日本の最大の貿易相手国になっている可能性がある。アジアと中国の視点が大切になってきている」
「少子高齢化によって人口が減ってくれば、人材不足を解消するために外国人を積極的に活用するべきだ。このエリアで日本は遅れている。OECD13カ国の中で後ろから2番目になってしまっている」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
富士通、新方式の量子コンピューター試作機を世界初開発 ダイヤモンドで計算精度を向上
-
2
セキュリティは「使えてなんぼ」 認証との偶然の出会いから22年 - NTTデータ 星野氏
-
3
「法律以前に、やるべきことがある」──ANA和田氏×SBT辻氏が語る、能動的サイバー防御の本質
-
4
「AI社員」活用、NECは無人部署 DeNAには17体、南場社長「けなげ」と太鼓判
-
5
「身代金は支払うべきか」――YKK APが7年越しに気付いた経営とセキュリティの視点のギャップ
-
6
Agentic AI前提でセキュリティを作り直す - Sansan 鴨志田氏
-
7
「複雑さにあらがう“設計者たち”」――マネーフォワードに学ぶBizOpsの実践構造
-
8
第1回:到来した「自律型AI時代」
-
9
新幹線にスマホ10台! 説明前にまず自分で確かめる - Zimperium 成田氏
-
10
教養は、ビジネスパーソンの武器になる――世界のエリートが学んでいる教養書 必読100冊を1冊にまとめてみた
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー