情報統合の難しさとその価値(1/2 ページ)
情報は、企業にとって「ヒト」「モノ」「カネ」に次ぐ、第4の経営資産であることはよく知られている。
これはすなわち、企業のイノベーションの極大化に向けほかの3つの資産と同様に、情報の活用も不可欠であることを意味する。だが、社内にはさまざまなシステムが並存し、情報を異なる形式で個別に管理しているというのが、企業システムの今の姿である。その結果、必要に応じて各システム内の情報を取り出し、活用にまで結びつけるのは困難を極める。
11月22日に早稲田大学で開催された「ワセダCIOフォーラム」で日本IBMのソフトウェア事業インフォメーション・マネジメント事業部でソフトウェア・エバンジェリストを務める石井宏和氏は「こうした情報活用に向けた“壁”を乗り越えるための手法こそSOA(Service Oriented Architecture)にほかならない」と言う。
日本IBMでは現在、「Information On Demand」の掛け声の下、アプリケーションと密接に結びついた従来型のデータの在り方を見直し、アプリケーションが必用とされるデータに自由にアクセスできる環境の整備に積極的に取組んでいる。その基本的な考え方は、アプリケーションがあらゆるデータに透過的にアクセスするための経路をESB(Enterprise Service Bus)によって確立するとともに、データベースを統合するというものだ。
さまざまなデータソースに対する柔軟なアクセスや、データの信頼性の確保などを期待でき、ビジネスサイドの要求に応じて必要とされるデータの迅速な提供や、統制のとれたセキュアな情報提供が可能になるという。
形式の異なる各種のデータをいかに1つに統合するか?
石井氏によると、データの統合手法は2つに分類されるという。複数のデータベース(DB)を物理的に集約する「物理統合」と、フェデレーションによって情報を仮想的にマッピングし、仮想的に統合を図る「仮想統合」がそれだ。
もっとも、それらの作業を進めるにあたっては課題も少なくない。例えば、前者であれば、データを1つのDB内に格納するために、DBごとに異なる形式のデータを一元的に管理/分析した上で、その結果を基に複雑な変換作業を実施する必用がある。また、後者においても、データ形式の違いを埋める仕組みを整備することが不可欠だ。
これらの課題に対して、IBMでは統合作業を支援するためのツール群を用意して対応を図っているという。具体的には、物理統合時には情報の加工/変換ツールである「WebSphere DataStage」とクレンジング/名寄せツールである「Websphrer QualityStage」を用いることで、変換/クレンジング/抽出/ロードにまつわる作業の大幅な効率化と、データの信頼性を確保することができる。また、仮想統合時に「WebSphere Federation Server」のラッパー機能を活用すれば、異なるDBをあたかも単一のであるかのようにSQLでアクセスする環境を整備することも可能だ。
「物理統合時にはメタデータでデータの定義を一貫して管理しており、個々のデータベースレベルでデータが変更された際には、その影響度を分析することもできる。このように、当社ではデータ統合を実現するための幅広い製品を用意しているのだ」(石井氏)
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