トレンドフォーカス
SOA推進の課題は「ITとビジネス」の間にある深い溝(2/2 ページ)
SOAこそ現代のシステム統合の姿
また、セミナーでは、SOAに携わるベンダーの識者によるSOAを推進するためのパネルディスカッションも行われた。
冒頭、日本IBMでソフトウェア事業の技術理事を務める清水敏正氏は、「海外ではM&Aが頻繁に繰り返されるため、買った企業のシステムを無理して統合することはしない。疎結合でのシステム連携こそ現代的なシステム統合の姿」と言及。
NEC開発環境技術本部長の岸上信彦氏も、「新しいビジネスの立ち上げや刷新でシステムを変えるとき、手作りで作り直す時間はない。SOAはその1つの手段」と語り、既にSOAにメリットがあるか否かの議論ではなく、異種環境でシステムを接続することが切実な問題となっている現状を紹介。
「アメリカの企業では、常に新しい技術をキャッチアップし、β版の段階で試して自分たちが使えるようにする。その1つがSOAだった」と話すのは、マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部に所属するアーキテクトエバンジェリストの萩原正義氏。日本もその意識がないとグローバルコンペティションに勝ち残れないと警告する。
また、SOA推進にCIOの存在を指摘するのは、日本オラクルの製品戦略本部に所属する杉達也氏だ。「グローバルではCIOの強力なリーダーシップでITをコントロールしている。しかし、日本でCIOが機能している企業はまだ少ない。企業のITはSIerが握ってしまっている現状がある」
アメリカでは、CoE(Center of Excellence、中核的研究拠点)組織がCIOをサポートする実行部隊になっており、CIOを補助する組織の育成も日本の課題という。
そして、今後日本でもSOA化を普及するための方策として、日立製作所のソフトウェア事業部で新分野事業推進室長を務める大場みち子氏は、「ビジネスを実現するための手段としてSOAは有効という認識を深めて欲しい。SOAの阻害要因に、敷居が高いという意見は多いが、まず個別の課題を解決することから着手し、早期に課題解決することで効果を実感すること」とアドバイスする。
「まず1つの業務フローでサービスを3~5個程度作ってみる。大きな視点で考え、小さなところから始める」(清水氏)
「経営に情報システムを活用する立場の人と、システムを作って維持する立場の人との歩み寄りを通じSOAを推進させる」(岸本氏)といった意見も出された。いずれにせよ、ITを変える時代はくる。今からSOA的な開発手法にチャレンジして効果を出し、その積み上げをしていくことが重要、というのが一致した意見のようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
今年もやります、5月20日からマクドナルドで「グランドフライ」 Lサイズ超える大きさ
-
2
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
3
米テスラの二足歩行ロボットや蓄電池を展示 日本初のギャラリーが大阪にオープン
-
4
「管理型リーダーは終わった」──1500年続く老舗企業から学ぶ、人が変わりたくなる組織の作り方
-
5
「やわらかい頭の作り方」――自ら柔軟に変化していくためのヒント
-
6
問題のない人生がいいのか、問題のある人生がいいのか
-
7
「ごく普通の会社」がランサムウェア被害で直面した損失と再生の記録――菱機工業 小川弘幹氏
-
8
画面の中だけで満足してない? AIが「現実世界(フィジカル)」を動かし始めた衝撃
-
9
「なぜ、コンサルティング業が存在しているのか?」――社内コンサルタント的な働き方のススメ
-
10
55歳で起業――10分/1000円のヘアカットで新しい価値基準を提案
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー