三方一両得のIT論 IT部門がもう一度「力」をつける時
【第9回】疲弊するIT部門(2)~今のシステム部門は現場をも見ているか(1/2 ページ)
システムと人の役割分担の適正化
今の企業で必要とされるシステム要員とはどのような人たちなのだろう。
昔のシステム部門の中の役割分担は非常にシンプルだった。大きく分けると「開発部隊」と「運用部隊」で構成されていた。開発部隊は「生産管理(購買、BOM管理、工程管理、品質管理)」「国内営業」「貿易」「物流」「人事」「経理」など業務別の縦割りで、共通システムというマスター管理、データ交換(EDI)などがあった。
運用部隊は、入力データを取りまとめたり、磁気テープの入出庫、バッチ処理実行のスケジューリング、帳票の振り分け配送、ホストコンピュータのオペレーション、トラブル対策――と、ほとんどが人海戦術の肉体労働が中心だ。
開発部隊には、現場よりも業務に詳しいぐらいの業務知識があり、現場が要望する帳票を合理的に短時間で作成するための設計ができる。そして条件どおりにプログラミングするプログラマーがいた。これを知的単純労働と呼んでいた。運用部隊はというと、毎日の決められたルーチンワークを間違いなく時間内に完了する体力と真面目さがあればよかった。
しかし、今は違う。昔のように時代の変化を気にせず、バッチ処理を基本とした帳票作成のシステムづくりはほとんど役に立たない。業務は変化し、システムに対するニーズも変化してきた。
現場の環境変化、現場ニーズの本質、頼りにならないシステム部門を当てにせず現場の人たちはPCでどう対処しているのか。そして、そのPCをもっとも効率的に活用してもらうにはどうすればいいのか。大量の個別最適システムをどのように維持メンテナンスしていけばいいのか。国内だけではなく、海外拠点も含め全体最適をどのように実現すればいいのか。ホストに残った古い大量のプログラムをどのように最適なプラットフォームに移管していくか――まったく違った視点での構想し実行に移す力が必要である。
しかし、長い間偉そうに現場に威張ってきたシステム部門のベテランたちはやっぱり大きくは変われない。変われと言っても私は無理だと思う。出来るだけ早くIT部門のあり方や必要なスキルを改めて定義し、人材育成からやり直さなければならない。5年から10年かけてIT部門の再生を図らなければならないのだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
フジテレビが「アドレッサブル広告」開発 商用化に向け技術実証加速
-
2
第1回:到来した「自律型AI時代」
-
3
部下への過剰配慮は「ホワハラ」 早期離職につながる懸念も 「健全な負荷」が成長機会に
-
4
新幹線にスマホ10台! 説明前にまず自分で確かめる - Zimperium 成田氏
-
5
「社長、これだけは覚えておいて」――NTTグループ250人のトップが学んだ、有事の際の4つの定石
-
6
DX・AXプロジェクトの成功に必要な条件とは - コスモエネルギーHD ルゾンカ氏
-
7
コミュニティ活動を通して人材育成を進め、サイバーの世界でも安全を追求するANAの取り組み
-
8
誰もあなたを育ててくれない時代 ――成長を諦めないリーダーが実践する5つの自己点検
-
9
「攻めのIT」と「攻めるIT」で社会の交通の安全と豊かな人生の実現を目指す――ABDi則末修男社長
-
10
オタクの名人芸に驚く
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー