間違いだらけのIT経営
「お子様役員」狂想曲――IT導入の本質を見極める(1/2 ページ)
ニッチな存在だが重要な役割
通常、ITとの関わり方でテーマになるのはトップかCIOである。理由はトップの関わりがIT導入成功のための最も重要な要素であるからであり、CIOはITに関わることが任務そのものだからである。
しかし、彼らを除く経営者が取り上げられることは、多くない。なぜだろうか。トップとCIOさえ充分関わっていれば、IT導入は成功するからだろうか。IT導入の際、その他経営者を当てにできないからだろうか。ユーザー部門を語るときに、そこを管轄する役員も含まれていると考えられるので、あえて別途取り上げて議論する必要がないからだろうか。
いや、そんなことはない。単に忘れ去られているのだろう。なぜなら、ITを語るときに彼らは、注目されるトップ・CIOと情報システム部門との間にいるニッチな存在だからだ。しかし、役割は極めて重要なのである。
感情むき出しで邪魔をする
ITが絡んだとき、トップをサポートできないダメ役員がいかに多いことか、筆者は現役時代、あるいはコンサルティングを通じて複数の企業で実感してきた。
A社のB取締役経理部長は長年CIOであったが、ある時Cが役員として親会社から派遣され、新たにCIOに任命された。Cは早速Bの路線を修正して、メインコンピュータを撤去し、パソコンでネットワークを敷いて、クライアントサーバーシステム導入の計画を立案、トップの承認を得た。
プロジェクトチームが稼働を始めたが、Bは機会あるごとに新システムにケチをつけ始めた。陰に陽に「新システムは必ず失敗するぞ」と噂を立て、些細なことに異議を唱えた。信じられない子供じみた話だが、Cは負けずにシステムを完成させた。裏には自分の立場を奪ったCに対する対抗心があっても、表向きは論理的、理性的にプロジェクトに対する反対を述べるならまだしも、社内で先頭に立って根拠のない噂を立てるなど、戦略としても幼稚だ。
感情的になって反対のための反対に終始する、こうした「お子様役員」は意外に生息率は高いようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
2
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
3
味の素社が挑む“dX”とAI駆動開発――“企画・開発・営業ができる人財”が新規事業を加速する
-
4
高島屋・村田善郎社長 挑戦続けるアバンギャルドな百貨店 ベトナムや新型SCに重点投資 My Vision
-
5
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
6
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
7
森ビルが挑む、DXを通じた「ヒルズライフ」の充実とコア領域の内製化
-
8
どの区立中からも通えるオンライン将棋部発足 休日はリアル、プロ級も指導 東京都大田区
-
9
公共交通インフラの使命を軸に、事業継続への攻めと守りを大胆に実行する - JAL 鈴木氏
-
10
第52回:「管理」する時代は終わった──AI時代、マネジャーに残された本当の仕事とは?
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー