新世紀情報社会の春秋
ゲーム機が切り開くビジネス市場――PCの限界を侵食(2/2 ページ)
ゲームがWebにもたらす3つの変化とは?
これからのゲームとWebの関係を考えるうえで、3つの重要なポイントを考えてみたい。
(1)ヒューマンインタフェース
ゲームはインタフェースの王国である。テレビゲームの時代に入って以降、ゲームの開発はルール、ステージの構成や展開など複雑化する内容を、いかにして1つの画面で楽しんでもらうかに大きな労力を注いできた。それはコントローラという入力インタフェースと、画面という出力インタフェースの両面から、人間の情報行動を徹底的に分析し続けてきた成果ともいえる。その蓄積は、早くからウェブ画面の設計にも大きな影響を与えてきたが、動画やアニメーションを活用するFlashやAjaxなど新しいコンテンツ指向のウェブ環境が整ってきた現在、その関係性はますます深まりつつある。
とりわけ双方向的環境において、楽しみや興奮、感動といった人間の感性に訴える情報表現を追求してきたゲームの本質は、ロジック中心の表現様式を歩んできたウェブの世界に、インタフェース次元での新しい表現手法をもたらしつつある。ブログパーツあるいはブログペットと呼ばれるアクセサリーや、昨年国内で大流行した脳内メーカー、ニコニコ動画のコメント表現などもこうした視点で捉えるべきだ。
(2)情報メディア
加えて、ゲーム画面に集中する利用者意識に着目したゲーム広告の可能性は、以前からも取組みが進められてきたが、ゲームのネットワーク化やプログラム配信という流通形態の変化は、そうした情報媒体としてのゲームのポテンシャルをさらに大きなものにしようとしている。バナー広告にゲーム的要素を盛り込んだものや、モバゲータウンに代表されるミニゲームを媒体としてスポンサー提供を行う手法は、今後、前述のインタフェース表現と密接に連携した複雑な表現手法となって、インターネット広告の市場を広げることになるだろう。
ゲームがこうした特質を発現できるのは、それがプログラムとコンテンツの両方の側面を持っているからだ。こうした利用者など外部からの働きかけにより表現内容が変化する手法は、テキストや音楽、動画など多くのコンテンツ領域でもさらに広がってゆくに違いない。
(3)端末プラットフォーム
もう1つ忘れてはならないのが、情報端末としてのゲーム機の位置づけである。最新型ゲーム機のアーキテクチャ性能は、すでに限りなくPCや携帯電話に近づいている。特にPCが持つある種の普及の限界を、ゲーム機が克服しながら侵食してゆく展開は今後十分に想定できる。それは何も家庭市場に限ったことではなく、ビジネス市場においても大きな可能性があるといえる。
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