ポータルのような単価で広告は売らない ロイターのメディア事業責任者
トムソン・ロイター・ジャパンとプレジデント社は、このたび業務提携して、10月1日からビジネスパーソン向けの新規Web媒体「プレジデントロイター」を立ち上げる。ビジネス経験の深いユーザーに向けて、経営概念や自己啓発にフォーカスしたコンテンツを提供していく。トムソン・ロイターのメディア事業部門で日本責任者を務める楠山健一郎氏に、立ち上げの経緯と戦略を聞いた。
――新媒体立ち上げの背景を教えてください。
楠山 近年インターネット系メディア、とりわけYahoo!やGoogleのようなポータルサイトの成長は著しく、ネット広告市場も大いに活性化しています。2007年度の国内ネット広告費は6000億円に達しており(電通調べ)、今後もさらに拡大する見込みです。こうした状況の中、メディア業界では1社単独で生き残りを模索するのではなく、他社との協業により競争力を高める動きが目立ちます。
多分に漏れず、ロイターでもこうした意識を持っていました。運営するニュースサイト「Reuters.co.jp」のページビュー(PV)は伸びていますが(2008年6月現在、4000万PV)、広告マーケットに対してさらなる一手を打つためには、このままロイター単独でいいのかを考える必要がありました。
――業務提携はどちらから持ち掛けたのですか。
楠山 ロイター側です。昨年10月ごろから交渉を進めてきました。プレジデントを選んだ理由は、読者のプロファイルが似ていて専門性の高い媒体同士だったため、連携することで相乗効果を生み出すことができると考えたからです。
――経営者や富裕層を主なターゲットにしています。どのような広告を想定していますか。
楠山 媒体広告は、SAPやIBMなどの企業向け大型ITシステム、高級車、ラグジュアリー商材、ブランド品などを考えています。また、Reuters.co.jpでは実績がないけれど、プレジデントの誌面には出稿している広告クライアントもネットに取り込んでいければと思います。今後は雑誌とオンラインのクロスメディア提案が可能になります。
――PV単価も他サイトと比べて高く設定しているようですね。勝算はあるのですか。
楠山 もちろんです。今後、専門メディアサイトの重要性はますます向上していくと思います。実際に米国では専門サイトがポータルサイトのPVを上回るという例も出ています。プレジデントロイターはビジネスパーソンに向けて本物の価値を提供したいと考えているため、高値でしか売る気はありません。「Yahoo!」や「mixi」と同じような値段となることはありません。Reuters.co.jpも現在はポータルサイトの4~5倍の価格設定となっています。
クライアントが広告出稿を検討する上で、現在はサイトのPVが指標になっていますが、これからは単にPVが多い少ないではなく、コンテンツの中身や価値を評価してもらう時代になると思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
2
「セキュリティは事業を活かす出汁、責任者はCIMOで目指せ」 - JTB 椎野氏
-
3
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
4
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
5
スキルの向上だけでは成長は望めない――より重要になる「成長マインドセット」とは
-
6
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
7
本田技研工業のDXはボトムアップとトップダウンで“Hondaらしく推進”
-
8
重要文化財の弁財天像 3Dデータ化で確実に継承へ 「将来に残したい」神奈川・江島神社
-
9
味の素社が挑む“dX”とAI駆動開発――“企画・開発・営業ができる人財”が新規事業を加速する
-
10
話題のチーズティーを飲んでみる
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー