「いかにベーコンエッグのポークの意識を持たせるか」――東京海上日動システムズ・島田常務
調査会社のガートナー ジャパンは4月20日、セミナーイベント「アウトソーシングサミット 2009」を開催した。ゲスト講演した東京海上日動システムズの島田洋之常務取締役は、企業におけるリスク管理について「一人ひとりが当事者意識を持ち、各人がPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回し続けることが重要だ」と強調した。
東京海上日動システムズは、東京海上日動火災保険をはじめ東京海上グループのIT戦略の中核を担う。現在、約50万台の代理店向けシステムと約3万台の社内システムの開発、保守、運用などを一手に引き受ける。それぞれのシステムは月間1億件のトランザクションが発生する大規模なシステムであるため、「リスクの正しい認識と評価が不可欠」だと島田氏は話す。
同社では、2000年にオープン系システムの相次ぐ導入に伴うトラブル、特に運用の品質面でのトラブルが多発した。10月にすぐさまSLA(Service Level Agreement:利用者にサービス品質を保証する制度)を導入して業務を見直し、品質向上や内部統制を推し進めてきた。
加えて、社員の意識改革にも着手した。同社を含め多くの企業のIT部門は、サービスを提供し続けることに対してはプロ意識を持つが、サービスを管理することは苦手だという。島田氏は「きちんとやっています、頑張りますと言うだけでは業務の役に立たない。(業務に対して)常に自己責任や説明責任を持たなければならない」と指摘する。
社員にリスク管理を徹底させるにはどうすればいいのか。島田氏は「ベーコンエッグ」を例に説明する。
「ニワトリと豚(ポーク)がいたとしよう。ベーコンエッグをつくるのに、ニワトリは卵を提供すればいいが、ポークは死ななければならない。関係者全員がいかにポークの意識、すなわち現場の当事者意識を持つかが重要である」(島田氏)
全員が危機意識を持ってリスク管理に携わり、一人ひとりがレポートをつくる段階からPDCAサイクルを回すことで、質の高い顧客サービスが実現できたという。従来のようにコンピュータに向かってではなく、顧客へのサービスに目を向けてシステム運用をとらえることが可能になり、ビジネスに役立つITサービスを提供しているという意識が社員に芽生えた。
「現場を知らずにシステムはつくれない。顧客を深く理解している点は、ベンダー企業やアウトソーシング会社には絶対に負けない」(島田氏)
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