ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
劇的に生産性が上がる「15分単位の予定表」(2/2 ページ)
作業の順番を決めてワーキングメモリの記憶容量をセーブすれば、自然と「必要なタイミングで必要なことを思い出す」能力が戻ってきます。
なぜなら、ど忘れは本当に忘れてしまったのではなく、別のこと(作業)に注意が奪われて、そのことに記憶容量を使われていることが原因だからです。
なぜ「15分」なのか?
心がフラフラとさまよって、別のことを考え始めてしまっている状態を「マインドワンダリング」といいます。「1つのことをしているときに、別の作業を思い付く」かつ「その瞬間に、前にしていたことは頭から消えてしまう」のが特徴です。
マインドワンダリングは、意図せずに私たちの脳の容量を使います。勝手に思い浮かんでしまったことに容量をとられることで、ワーキングメモリの使える容量が減ってしまうわけです。
このマインドワンダリングの出現頻度を調査した研究では、16分に1回の頻度で出現していることが明らかになっています。
つまり、16分に1回は「心ここにあらず」の状態で行動してしまう、ということ。しかも残念なことに、これは脳がもつ特性のため、努力で防ぐのは困難です。「作業時間を“15分以内”で区切ることが重要」なのは16分ごとに別の作業について考えてしまうから。
そこで、「はかどっていてもそうでなくても、15分で終わり。そこからまた別の作業をする」というルールを決めれば、作業の集中を妨げるマインドワンダリングは防ぐことができます。
「自分区切り」で脳のふらつき・マインドワンダリングを防ぐ
しかし……この話をすると、大抵このように反論されてしまいます。「どこまでやったかを忘れちゃうから、途中でなんてやめられない!」
でも、本当に、どこまでやったのかを忘れてしまうのでしょうか? 例えば、仕事中にメールがきます。そのメールを読んで返信をした後、元の作業に戻ると、「あれ? どこまでやったんだっけ……」とやったところを探すのに時間がかかってしまいます。
それに対して、「自分で作業を区切った場合」は、元の作業について忘れにくいはずです。
試しに、次の2つを、5分ごとに繰り返してみてください。
・文章を書く( スマホやパソコンでもOK)
・読書( スマホやパソコンでもOK)
文章を書いている途中で5分になったら、 そこで終わりにして、読書を始めましょう。また5分たったら、元の作業に戻ってください。
いかがでしたか? 意外とすんなり元の作業を再開できたのではないでしょうか。
なぜこのようなことが起きるかというと、「脳の疲労」が関係しています。
しばらく作業を続けていると脳が疲労し、思考がフラフラとさまよい始めて、関係ないことを考えてしまいます(=マインドワンダリング)。これを防ぐために、「ノルアドレナリン」という物質が上昇して集中を保とうとします。このときに邪魔が入ると(声をかけられたりするなど)、ストレスによって「コルチゾール」というホルモンが急上昇します。
このコルチゾールがくせもので、記憶をつかさどる「海馬」の活動を弱め、記憶力を低下させてしまいます。そのため、作業に戻ったときに「あれ? どこまでやったんだっけ?」となるのです。
一方、自ら意識的に15分以内に区切る場合は、そもそもノルアドレナリンが上昇する前に作業をいったん終えることができるため、コルチゾールは上昇しません。記憶力も低下しないので、すんなり作業を再開できる、というわけです。
ぜひ、マインドワンダリングを防ぐためにも、「15分サーキット」を活用してみてください。
私はいま、作業療法士として、企業で働く人たちの行動変容を促すことに取り組んでいます。自らの脳の仕組みを知って使い方を変えることは、新たな感覚を得る体験です。その感覚こそが、その人の要領のよさの材料です。本書『要領がいい人になるための40のコツ』が、その一助になれば幸いです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「法律以前に、やるべきことがある」──ANA和田氏×SBT辻氏が語る、能動的サイバー防御の本質
-
2
セキュリティは「使えてなんぼ」 認証との偶然の出会いから22年 - NTTデータ 星野氏
-
3
富士通、新方式の量子コンピューター試作機を世界初開発 ダイヤモンドで計算精度を向上
-
4
「AI社員」活用、NECは無人部署 DeNAには17体、南場社長「けなげ」と太鼓判
-
5
中国人も台湾人も夜遅くまで働いている 日本人だけが「働き方改革」でいいのか
-
6
教養は、ビジネスパーソンの武器になる――世界のエリートが学んでいる教養書 必読100冊を1冊にまとめてみた
-
7
Agentic AI前提でセキュリティを作り直す - Sansan 鴨志田氏
-
8
新幹線にスマホ10台! 説明前にまず自分で確かめる - Zimperium 成田氏
-
9
「技術を知らなければ、適切なリスクは取れない」 マネーフォワードCISO 松久氏
-
10
AIペットロボット「モフリン」好調、カシオが新規事業に注力 4本目の柱に育成 月刊Biz・switch
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー