業績の最大化、継続的な成長――これらを手にするため業務プロセスの視点から改善活動を行うBPM。SOAとの親和性でも注目を浴びる。日本BPM協会は、2007年12月に「SOA普及推進研究部会」を立ち上げ、SOA普及活動を通じBPMを推進するという。
企業における最大の関心事は、業績の最大化と継続的な成長、そしてステークホルダーの満足である。それらを企業基盤(組織・コンピタンス・知識・財務・IT)の継続的な改善活動で実現することがBPM(Business Process Management)の目的だ。
BPMとは、企業活動の俊敏性や業績、コンプライアンスの改善といった経営目標の実現に向けて、ビジネスプロセスを管理するためのPDCAサイクル(ビジネスプロセスモデルの定義、ビジネスプロセスのITへの実装と実行、リアルタイムなモニタリング・分析、蓄積情報分析からの最適化など)を確立し、人とITによって最適なプロセスの実現を目指すための概念、およびその領域のことをいう。
しかし、業務の変化に合わせてITのシステムも変化させることが最も重要とされているが、企業内に部分最適で混在する業務システムの非効率性がボトルネックとなって、業務プロセス改革のスピードにデータモデルの革新が追従できないケースが少なくない。この、タイムリーな改善ができない問題を解決するIT面での基盤として活用されるのがSOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)なのである。
SOAは、ビジネスプロセスをサービスプロトコルと連携させ、その下で動くソフトウェアコンポーネントを実装しているレガシーアプリケーションと同期させることを目ざすアプローチ。それは、BPMが理想とする、ビジネスプロセスの変更や新規構築による業務の変化に迅速に対応できるサービスの共通部品化につながる。情報システムのスピードに業務プロセスの変化のスピードが左右されていた従来の構造を、SOAが加速することによって改善させることになる。
このBPMとSOAの高い親和性や相互依存性は以前から注目されてきたが、海外ではそれを具体化する動きが活発となっている。OMG(注1)では、2007年2月、グローバル1000社企業が2010年までにSOA導入を完了するのを支援すべく、エンドユーザー、サービスプロバイダー、テクノロジーベンダーが結集した推進グループ「SOAコンソーシアム」を立ち上げた。創立スポンサーとして、BEAシステムズ、シスコ、IBM、SAPの各社が名を連ねる。
注1:(Object Management Group):UML、CORBA等のオブジェクト指向技術の標準化と普及を目的とした非営利標準化団体
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授