「当たり前」「思い込み」を正しく疑えるか 大事なものは暗闇の中にあるかもしれないビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

問題や課題が顕在化したときそれまでの仕組みを根本的に壊す勇気が持てず、現状に修正を加えることから始めようと思いがちである。しかしここから企業の競争優位が生まれるだろうか。

» 2011年10月27日 08時00分 公開
[大島由起子,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


 「創造的破壊」とは、オーストリアの経済学者・シュンペーター氏によって提唱された言葉です。もともとは、非効率な古いものは効率的な新しいものによって駆逐されていくという経済活動における新陳代謝のプロセスを説明するものでしたが、現代では広く、旧弊を打破して新しいものを生み出す行動、を指して使われることが多いようです。

「破壊と創造の人事」

 「破壊と創造の人事」は、この「創造的破壊」が今の日本企業の人事に求められているのではないか、という問題提起の意味をこめたタイトルです。

 何か問題や課題が顕在化したときに、それまでうまくいっていた仕組みを根本的に壊す勇気が持てず、まずは現状に少し修正を加えることから始めようと思いがちです。しかし、例えば人事の分野で言えば、少子化・多様化・グローバル化など、これまで直面してこなかった緊急の課題が山積みになっていくなか、昔のやり方にむやみに固執し続けてしまうと、企業力を低めることはあっても、その競争優位を生み出すことはないと自覚しなくてはなりません。

 一方で、「これからの時代は○○だ! 」「△△△を取り入れないと取り残される」と、世間で流行っている仕組みや考え方を無批判に取り入れ、それまで培ってきた自分たちの良さをあっさりと「破壊」してしまうことは、決して賢い態度ではありません。

 真の創造をするには、破壊的行動を先行させる必要があり、創造的な破壊をするためには、破壊すべき対象(同時に、すべきではない対象)を冷静に把握しておく必要があるということでしょう。

 そのためには、今自分が直面している課題について、まずは「ゼロベース」で考えてみるクセをつけることが大事だと考えています。「当たり前だと思っている」もしくは「これがなくなるなんて考えられない! 」ということを、頭の中でゼロにし、そのとき起こりうる状況を真剣に想像してみる。もちろん、そのときには「課題を解決してどこにたどり着きたいのか」を常に手放さないように。すると、ゼロにしても全く問題ないことに驚くこともありますし、「当たり前」の中にあった良さの本質が浮き上がってくることもあります。

 こうした考え方を実践していると、分かっているつもりでも、自分が持ってしまっている「当たり前」や「思い込み」をゼロにして考えてみることは決して簡単ではないことに気付かされます。

 ある人の犬が、突然水を飲まなくなったことがありました。犬小屋の前に置いてある水入れかがほとんど減らないのです。そんなことが数日続いたので、体の具合が悪いのだろうと思い、獣医に連れていくことに。しかし、内診をしてもらっても、特に問題がみつかりません。おそらく軽く脱水症状になりかけている犬はぐったりとしています。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆