仕事やキャリアに満足し、楽しい人生を送っている人は正しいトレーニングをしている。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。
成果が上がらない人、自身の仕事やキャリアに満足していない人には驚くほど共通する、「考え方」と「行動」の特徴があります。
1、「自分」を知らずに、ただ目の前の仕事をしている
2、今期の目標、ノルマ、目の前の仕事しか見ていない
3、自分自身を固定観念で決めつけている
4、仕事を熱心にやり過ぎて視野狭窄(きょうさく)に陥っている
5、仕事やキャリアは日々自分で「判断」しているということを意識していない
6、自分の意見は言うべきではないと考えている、または、伝えようとしてもうまく伝わらない
7、評価が低いのは相手のせいだと思っている
8、「直感」を殺して「頭」ばかり使っている
9、他人の「評価」を気にして仮面を被っている
わたしは、いままで2社で人事の責任者、その後複数のベンチャー企業や中小企業の社外取締役、社外監査役として多くの人たちの採用に関わってきました。また、多くの企業でキャリア自律研修やリーダーシップ研修を行い、意識調査をし、多くの中堅そして幹部社員たちを見てきました。受講者数は、1万人近くになります。そうやって多くの人たちを見てきて分かったことです。
スポーツがそうであるように、ビジネスで活躍し、キャリアを開発するには、それに必要な「筋肉を鍛えるトレーニング」が大切になります。日本では、キャリア開発の歴史がまだ浅いため、このように重要な、そして当たり前のことがほとんど語られてきませんでした。
スポーツの世界では、全くの初心者がいきなり試合に出るなどということはありえないでしょう。ところが、ビジネスの世界ではそういうことはしょっちゅう起こります。新入社員が教育研修もほとんどないまま、いきなり飛び込みセールスをやってこい、と命じられます。あるいは、新人なのにプロジェクトを任せられたりもするのです。OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)という名の下に。それでもなんとか頑張り、仕事に慣れるにつれほとんどの人はなんとか回せるようになります。
もちろん、そうしているうちに、仕事はなんとかできるようになります。しかし、あなたのキャリア開発という点からみると、知らず知らずのうちに悪いクセ(習慣)が身に付いていってしまうのです。あなたは、「仕事に必要なスキルや知識の習得、資格取得のために勉強をしている」と反論するかもしれませんが、それは会社や上司から求められ、与えられた仕事の役割や業績目標を達成するために必要だからやっているのではないでしょうか。
言われたことをやること、求められているものを身につけることは重要です。しかし、あなたがビジネスで成功できるよう、キャリアを自ら開発するためには自ら設定した目標のために自ら意識して正しく「練習」することが重要です。そして、それは決して仕事に限定したことではなく、あなたのプライベートも含む広い意味でのキャリア=人生、を満足に送るにも必要なことなのです。仕事とプライベートライフの両方の充実があって、初めて「仕事をしていて楽しい」「満足すべきキャリアを送っている」「自分の将来を考えると、ワクワク、ドキドキする」と思えるのです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授