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» 2019年09月02日 10時00分 公開

AI活用の「あるある」を楽しく議論 FUJITSU AI Communityでモヤモヤを解消 (2/3)

[PR/ITmedia]
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多種多様なニーズに秘められたAIへの期待感

 基調講演に続くグループディスカッションでは、製造業や流通業、サービス業、金融や教育機関などの幅広い業種、さらにAIを使う側だけでなくシステムを提供する企業からの参加も見られた。異なる業界の担当者による意見交換はかみ合わないこともあるが、固定観念から脱却した目からうろこ的な知見を得られる可能性も秘めている。

 各テーブルに分かれた参加者に、富士通のAIエンジニアとファシリテータ、時に基調講演に登壇した講師も加わったディスカッション。最初は遠慮がちに話し始めたが、そこはAIに関して共通の課題や悩み、興味を持つ者同士だけに最後は活発な議論に会場内は熱気に包まれた。

 グループディスカッションは、企業紹介や参加者の役割、「どのようにAI活用に取り組んでいるか」といった話から始まる。進捗の状況はさまざまで、すでに業務や事業でAIを使っている企業やPoC(概念実証)を回している企業から情報収集まで、多岐にわたった。先行企業もあったが、多くはこれからAI活用を進めていく企業がほとんど。それだけに、ニーズもさまざまだ。いくつか列挙してみたい。

  • 生産管理パッケージにAIを盛り込んで、同じような業種にパッケージ製品として提供できないか(システムベンダー)
  • 人事管理・評価にAIを応用できないか(コンサルタント)
  • 日々上がってくる書類のOCR入力工程で、AI分析により顧客に適した商品をレコメンドできるような仕組みを作りたい(金融業)
  • 社内に向けて、ユーザーの視点からAIで新サービスができないか(通信事業者)
  • 画像データの修理活用や、画像解析から何かできないか(製造業)
  • 学生に関する情報量は多いので、AIで何か新しいことをやりたい(教育機関)
  • AIで議事録の作成効率化や情報を業務に役立てたい。また、AIで需要予測の精度を高めたい(流通業)
  • 学習履歴をベースに効率的な学習方法を提案できる仕組みを作りたい(教育機関)
  • 会社により異なる書類のフォーマットの入力業務をAIで効率化できないか(サービス業)
  • 現在のチャットボットでは十分な回答を提供できていないので、AIで精度を高めて電話対応を減らしたい(製造業)
  • 言語化しにくい情報をAIで何とかしたい(流通業)
  • 介護記録やケアプランの作成を自動化したい(サービス業)

 こうしたAI活用を進めていく中では、さまざまな壁に直面するもの。話題は抱えている課題や疑問に移っていき、議論も白熱してくる。その内容を集約すると、「データの収集と活用」「AI活用の進め方」「現場の理解と協力」「AIの限界」といったキーワードが浮かんできた。

必要なデータはどう集め、どう使うべきか

 AI活用の進み具合に関わらず、最も多くの参加者から課題視されていたのは「どのようなデータをどう集めるべきか、どれくらいの量が必要なのか」というデータ収集や活用に関するもの。AIや機械学習のベースとなる要素だけに、関心も高いのだろう。

 流通系関係者が集まったテーブルでは、ある流通業のAI推進担当者が「AI導入では必要なデータ量を集めて精度を高めることが課題だが、自社だけでは不足している状況で、なかなか情報が集まらない」と発言。他の流通関係者も同意を示す中、ディスカッションに参加していたトライアルホールディングスの西川氏は、次のようにアドバイスをした。

 「自社では網羅的にデータを収集できていないにも関わらず、データを出したくない企業は多い。しかし、提供したからといってデータがなくなるわけではない。卸会社はメーカーやリテーラーからデータを集めてプラットフォーマーになれる可能性がある。戦略的に投資を行いながら取り組むべきだ」。

 実際に、西川氏が基調講演で語ったように、トライアルも自社システムでメーカーとデータを共有してマーケティングに取り組むだけに参加者たちも納得していた。

 この他、データに関する具体的な課題としては、「属人的な業務やノウハウをどうデータ化すればよいのか」(製造業)、「人事管理・評価にAIを活用したいが、何をKPIにどのような情報を集めればよいか分からない」(コンサルティング企業)、「自社以外の企業からデータ提供を受ける必要性も感じているが、その方法が分からない」(金融業)といった声が挙がった。

 すでにAI化を推進している企業からは、「本来、データが多いほど効果は上がるはずだが、各部門でデータが加工されてしまっている。このため収集したデータを統一して管理できなかった」(保険会社)、「データはクラウド環境で管理しており、セキュリティポリシーの関係で、アップロードできるデータや使えるデータが限定されて苦労している」(金融業)といった他、「データにはノイズも多いので品質を高めるクレンジングが必要で、データを集めるほど使うほど手間とコストがかかる」など、試行錯誤しているからこその苦労話が聞かれた。

とにかくPoCを回す、それが成功への第一歩

 これからAI活用に取り組む予定の参加者からは、AI活用の進め方、特に「どこから始めればよいのか。何を一歩目にすればよいのか分からない」という最初の一歩が課題として挙がった。

 これに対して先行する参加企業から、「小さなことでもよいので、まず課題を見つけることが大事。そこからスモールスタートでPoCを何度か回していくのがよい」とのアドバイスが複数寄せられた。金融系会社から「AIは何でも解決できる万能ロボットのドラえもんではないが、当社ではドラえもんを作れといわれている」と苦労話も。AIは一般的な業務システムのように実装すれば次の日からすぐ活用できるというものではなく、落としどころを決めながら、PoCを回すことにより精度が上がっていく。これをやらずに短期間での成果を求めると、期待外れに終わることが多い。すでに実装した企業からはPoCを回すことの重要性が強調された。

 また、最初の一歩を踏み出せない要因として、人材やデータの不足、予算の問題などが指摘された。この点、先行企業から「社内にAIをやりたい人がいるはず。社内公募や社内ハッカソンなどで、人材を募る方法もあるのでは」(金融業)、「データが少なすぎるのは問題だが、完璧を目指そうとしてもキリがない。手に入った情報だけでまずはやってみた方がよい」(SIer)などのアドバイスがあった。

 予算確保も切実な問題だ。どこの企業でも、費用対効果が求められるもの。参加者からも、「AIは短期間では効果が出にくく、コストも見えにくい。当社では2年単位でトップが変わるため、任期中に結果が出ないプロジェクトは認められず前に進めない」(製造業)といった声が挙がる。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2019年9月30日