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「変革が必要なのは役所と大学ではないか」 IBMの北城最高顧問(2/2 ページ)

新興国が競争力を高めている中、日本のIT産業を育てるには産官学の連携による強いイノベーションが必要となる。企業にとってイノベーションは事業継続のために日夜取り組むべきことだが、大学や政府はそうした意識が薄く、大きな隔たりが生まれているという。

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迫り来る中国とインド

 こうした懸念の背景には中国やインドの台頭がある。日本の人口減とは対照に中国やインドでは依然として人口増加が続いており、IT産業にも大きな影響を与えている。日本で情報工学系の学位取得者は毎年2万人程度だが、インドは50万人、中国では80万人という驚異的な数字が出ている。両国とも国家レベルでIT産業の発展に尽力しているため、学生の受け入れ企業も多い。

 この数字の差がそのまま国際競争力につながるといっても過言ではない。GDP(国内総生産)に関して、中国は2020年までに日本を、2040〜50年には米国を抜いて世界一になるといわれる。インドも2030年には日本のGDPを上回るという。

 「中国やインドでは、高い技術を身に付けてより良い生活を送るために、優秀な人たちが必死で努力している。ハングリー精神に満ちている」(北城氏)

変わるべきなのは役所と大学

 日本が国際競争力に打ち勝つためにはどうすべきか。北城氏は、「日本に必要なのはイノベーション(変革)による経済発展で、その変革を支えるのが高度なIT人材だ」と意気込む。

 しかし、そうした人材を育てるはずの大学は、企業と比べて変革に対する意識が極端に低いという。「今もっとも変革が必要なのは役所と大学ではないか」と北城氏は苦言を呈し、「日本のIT産業の発展のためにもぜひ変革を推進してもらいたい」と語った。

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