目を合わせずに対話するあなたはどのタイプ?――4つの行動傾向を知る:問われるコーチング力(2/2 ページ)
職場にはさまざまな人間がいるが、実は大きく4つのタイプに分類できる。それぞれの行動特性を把握した上でコミュニケーションを取らないと失敗するだろう。
各タイプに合わせてコミュニケーションを取れ
大抵の場合、この4つのタイプに分類できる。しかし基本的には理論派だが友好派の傾向もあるなど、いくつかの傾向を併せ持つ人がいることも知っておいてほしい。チームや職場にいる人がどのタイプかを知らずに、全員を同じように扱うと、働きにくい職場になる。それぞれのタイプに即したコミュニケーション方法があるので紹介したい。
理論派の人に対しては、論点を明確にして、事実やデータを題材に話を広げ、論理を尊重する。友好派の人には、承認し、周囲の人たちに役立つことを強調し、決断を急がずに、時間を与えることが大切である。現実派の人には、単刀直入に要件から切り出し、結論を先に伝え、一番重要視していることを聞き出す。社交派の人には、興味を示す話題を提供して話をさせ、著名な人や権威のある人も賛同していることを示すとよい。
それぞれのタイプに応じて、話をしたり、仕事を任せたりすることで、成果が上がりやすくなる。
最後に、それぞれのタイプが嫌がるポイントについても触れたい。
理論派の人は、なれなれしく個人的な話題をされること、裏付けや根拠のない大まかな数字を見せられること、資料を見ているときに話し掛けられることを嫌う。友好派の人は、急な変化や不安を無視されること、早口でまくし立てられることを嫌う。現実派の人は、世間話や趣味の話、優柔不断な態度、一方的に指示されること、結論があいまいになることを嫌う。社交派の人は、複雑なこと、堅苦しいことだけ話されること、資料データの説明に終始されること、話す機会を与えられないことを嫌う。
職場にいる人たちのタイプを考え、適したコミュニケーションを取るだけで、話しやすい雰囲気になり、部下との信頼関係も深まる。そうすることで、組織の目標達成に向けて個々の能力が発揮され、結果を残せるようになるはずである。
3月5日に開幕するWBC。超一流の選手たちがそろったチームを率いていくときにも、それぞれの選手のタイプに応じたコミュニケーションを取ることが大事である。個性豊かで才能あふれる選手たちの能力をどのように開花させ、チームの力にしていくのか。原監督の手腕が問われている。ぜひともいい結果を残してほしい。
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プロフィール
細川馨(ほそかわ かおる)
ビジネスコーチ株式会社代表取締役
外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。
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