最近あなたは大きな声を出したことがあるか?:問われるコーチング力(2/2 ページ)
景気低迷によって暗いニュースばかり飛び交っている。こうしたときこそ、元気良く大声を出すべきだ。
大声を出すことは雰囲気を良くする
明るい言葉を発するとともに、大きな声を出すことも人々を元気にし、やる気を出させる秘けつだ。
先日、知人とカラオケに行く機会があり、わたしは「お祭り忍者」という曲を大きな声でうたった。残念なことに、普段はわたしの歌に関心を示す人は少ない。しかし、この日はいつもと違った。大声でうたうことで途中から周りの人たちが手拍子をたたいてわたしを盛り上げ、その場も熱気に包まれたのである。皆さんから拍手をもらい、大きな声を出して気持ち良くうたったことで、元気になって家路につくことができた。
読者の中で、最近大きな声を出したことがある人は、果たしてどれくらいいるだろうか。
わたしは多くの企業で研修やセミナーをしているが、開始前に必ず実行ことがある。それは大きな声で「皆さん、元気ですか?」と問うのである。あまりに大声なのでびっくりされることもあるが、それでも集中しきれていなかった人たちが一瞬にして注目するとともに、大きな声で返事することで元気になるのである。
一方で、この問い掛けはこれからレクチャーするわたし自身にも大きな効用をもたらす。「皆さん、元気ですか?」と声を出すことで、スイッチが入り、やるぞという気になるのである。
ぜひ、朝出社して「おはよう」と周りに声を掛けてみてほしい。今まで挨拶をしたことのなかった人は最初は驚かれるかもしれないが、数日やり続ければ、周囲はすぐに慣れ、大きな声で返事してくれるようになる。それだけで、職場の雰囲気ががらりと変わるだろう。
皆さんの職場で、明るい言葉や大きな声で周りを元気にしている人はいるだろうか。そういう人をぜひ評価してほしい。職場の壁に明るい言葉を貼ってみるのも良いだろう。ちょっとしたことで人は元気になれるのである。
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著者プロフィール
細川馨(ほそかわ かおる)
ビジネスコーチ株式会社代表取締役
外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。
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