ブランドコンサルティング会社のインターブランドジャパンは1月28日、日本発のコーポレートブランドが持つ価値を金額に換算した評価ランキングの2010年度版を発表した。首位は前年と同じくトヨタ自動車の「TOYOTA」だった。上位12ブランドまで順位に変化はなかった(詳細は下図を参照)。
インターブランドでは同様のランキングを1999年から全世界のブランドを対象に実施している。財務情報や株価などで算出する企業価値から投下資本を引いた無形価値に基づき評価する。ブランドの選定は、日本企業によって生み出されたコーポレートブランドであること、アナリストレポートが入手可能な上場企業であること、海外売上高比率が30%以上であることなどが基準となる。今回の調査では、2009年10月30日の時点で上場している企業が対象となる。
TOYOTAのブランド価値は305億2900万ドルで、前年と比べて3%下げた。2位は「HONDA」で前年比3%増の181億9200万ドル、3位は「SONY」で同4%減の119億7300万ドルだった。トップ30ブランドの8割が前年よりもブランド価値を下げたことについて、インターブランドジャパンの田中英富エグゼクティブ・コンサルタントは「世界的な不景気によって(日本のブランドをけん引する)自動車産業とエレクトロニクス産業の落ち込みの影響が大きい」と説明した。
一方で、前年比で11%増となった22位の「ASICS」や、初めてランクインした27位の「SHIMANO」は成長が著しいブランドだ。理由としては、海外での売上比率が大きく、「健康」や「エコ」といった世の中のトレンドにのっとったブランド展開をしていることが挙げられる。
インターブランドジャパンのテレンス・オリバー社長は「不況によって日本企業の多くが厳しい状況にある。こうした時期だからこそブランドは経営の大きな武器になるし、強いブランドを持つ企業こそが生き残るのだ」と力を込めた。
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