全世界のブランド価値ランキング、Coca-Colaが今年も首位に:不況下でも成長
年次のブランド価値評価ランキングをブランドコンサルティング会社が発表、トップには9年連続でCoca-Colaが選ばれた。
ブランドコンサルティング会社のインターブランドジャパンは9月18日、世界的なブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2009」を発表した。9年連続でトップに輝いたCoca-Colaをはじめ、IBM、Microsoft、GE、Nokiaと上位10ブランド中5位までは前年と同じ結果となった(図1)。
昨秋の「リーマンショック」を発端とする一連の経済不況によって、この1年で世界のビジネス市場は深刻な落ち込みを余儀なくされた。世界証券取引所連盟(World Federation of Exchanges members)の調査によると、2009年6月末時の世界の株式時価総額合計は37兆7114億ドルで、前年同月の52兆5200億ドルと比べて28.2%減という大幅な下落となった。この不況はブランド価値にも影響をおよぼしている。インターブランドのランキングによるトップ100ブランドのブランド価値合計金額は、この1年で555億ドル減少(前年比4.6%減)した。
ただし、株式時価総額と比較するとその減少率は緩やかであることが分かる。例えばランキング上位を見ると、Coca-Cola、IBM、McDonald'sは不況下にもかかわらずブランド価値を前年比で2〜4%伸ばしている。Googleに至っては25%増という高い成長を遂げている。
一方で、経済危機のきっかけをつくり、マーケットおよび消費者からの信頼を失った金融業界は厳しい結果を突きつけられている。今年度のランキングにおいて最もブランド価値の下落率が高いUBS(前年比50%減)を筆頭に、citi(同49%減)、American Express(同32%減)、Morgan Stanley(同26%減)と軒並みマイナス成長となった。
インターブランド アジアパシフィックCOO(最高執行責任者)のニール・ダフィ氏は、「経済危機によってブランドの優劣が如実に表われた。ブランドは企業価値そのもので、混乱期でもぶれたりせず長期的に価値を維持できるものだ。しっかり管理されたブランドは耐久性のあることが示された1年だった」と話す。
同ランキングは1999年に始まり今年で9回目。ブランド価値の評価方法は、株価や時価総額などで算出する企業価値から投下資本を引いた無形価値が基準となる。無形価値は予想利益をベースに、ブランド、知的財産権、技術・ノウハウ、経営者の能力など見えない価値(理論値)を算定したもの。例えば1位のCoca-Colaは、投下資本は420億ドルに対して企業価値が1248億ドル。無形価値828億ドルのうち約80%に当たる687億ドルがブランド価値である。
ブランドの選定基準については、(1)将来の財務予測データを公表していること、(2)売り上げの3分の1以上を自国以外で上げているグローバル企業であること、(3)B2B製品であっても一般消費者に認知されたブランドであることとしている。
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