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今ほどCFOであることに心躍る時代はない【後編】(2/2 ページ)

グローバル企業と比べて日本企業の多くは経理財務部門と経営企画部門が別々に存在しているため、経理財務の効率化においてさまざまな課題を抱えているのが現状です。どうすべきでしょうか。

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過去の視点から将来の視点にわたるビジネス洞察

 ビジネス洞察力については、これまで重視されてきた過去の視点や現在の視点から、将来の視点までを包含した知見が必要となってきます。貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、売上/原価差異分析といった過去の視点、顧客/製品/市場の収益性、支出の最適化、運転資本分析、市場/顧客/チャネルの価格設定、販売/サプライ・チェーン効率といった現在の視点に加えて、次に何が起こるのか、この傾向が続いたらどうなるのか、どのようなリスクまたは機会があるのか、といった将来の視点が加われば、さらに深みのある知見を得ることができるはずです。

 例えば、資金予測、シナリオ・ベースの計画/予測、戦略投資の意思決定支援、不確実性/リスク・ベースの予測/行動モデリングなどです。IBMでは、このような課題解決を支援するため、最先端のビジネス分析やビジネス最適化の支援を行うBAO(ビジネス・アナリティクス・アンド・オプティマイゼーション:Business Analytics and Optimization)を提供しています。

バリュー・インテグレーターを目指して

 バリュー・インテグレーターを目指して業務効率化とビジネス洞察力の強化を図るためのチャレンジすべき点を挙げてみます。


業務効率化へのチャレンジ:コスト削減や経理業務の改善を目指すためには

次々に変更があり複雑化する会計基準

来るべきIFRSへの対応

グローバルへの進出に伴う業務の多様化・複雑化への対応

洞察力へのチャレンジ:より複雑化する情報を活用するには

膨大な情報の分析、テクノロジーの活用は必至

事業に精通し、的確な分析のできる人材の育成が急務


 世界的な経済危機により、CFOはビジネスの矢面に立つことを強いられ、同時に、社内で役割を拡大する権限を与えられました。しかし、すべてのCFOがそうした高い期待に応える用意をしているでしょうか。また、期待に応えずにいることはできるのでしょうか。

 CFOの責務は、かつてないほど大きくなっています。企業の財務資源をつかさどる執事として、投資を保護し、投下資本利益を最大化する最終的な責任を負っています。そうした責任をまっとうするには、強力な管理、正確かつタイムリーな報告、財務面での的確なアドバイスを提供する経理財務部門が必要です。同時に経理財務部門には、自社を社内外から全体的に見渡すことによって洞察を行う能力が求められています。経理財務部門は、高度な分析能力とビジネスのモデリング能力に裏打ちされたインフルエンサーとして、企業が直面する重大な戦略意思決定について事実に基づくアドバイスを提供しなければならないのです。

 世界1900人以上のCFOの回答は、1つのメッセージをはっきりと示しています。それは、企業レベルで価値を統合する能力を備えている組織は、業務効率化とビジネス洞察力の両面で卓越しているということです。そして、その2つを両立させることこそが、よりスマートな意思決定を促進し、業績改善の原動力となるのです。ニュージーランドのあるCFOの言葉を借りれば、「今ほどCFOであることに心躍る時代はない」のです。

 「IBM Global CFO Study」の結果とその考察を紹介することで、求められるCFO像について明らかにしてきました。CFOや経理財務部門が業務効率化とビジネス洞察力の強化を実践し、経営に必要な知見を提供できることが、成長のための戦略の1つとなり得るかもしれません。

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