【最終回】日本企業におけるダイバーシティマネジメントの典型的事例:ダイバーシティの“今”を追う(3/3 ページ)
最終回の第5回では日本企業のダイバーシティマネジメントの実例についてプロジェクト事例から解説したいと思います。
結びに代えて
今回の連載まで全5回にわたり、ダイバーシティマネジメントについて論じて参りましたが、今回をもって最終回となります。今回の連載が日本企業にとってまだまだなじみの薄いダイバーシティマネジメントに対する理解の一助となれば幸いです。ダイバーシティマネジメントは一人ひとりの個性を受容し、人を活かす人材マネジメンの方法論です。その応用範囲は海外への事業展開、M&A,リストラクチャリング、チェンジマネジメント等様々な範囲での応用が期待できます。
これまでの内容を総合すると、ダイバーシティマネジメントは、短期的には、個人のワークスタイル、企業・組織の生産性、企業業績を変化させ、中長期的には、リクルーティング、企業価値の向上、ひいては社会貢献にも繋がる取り組みであると言えます。
日本企業ではダイバーシティマネジメントの進展が遅く、その効果に対して十分な理解が得られていない現状がありますが、日本企業が将来にわたって中長期的な成長を目指す上で、取り組みが不可欠な領域であることは間違いありません。
本連載全5回が、各企業のダイバーシティマネジメントに対する意識変革の一助となれば、幸甚です。
著者プロフィール
渡邊玲子(わたなべ れいこ)
プライスウォーターハウス クーパース株式会社
HRM シニアマネージャー。2001年5月ユニファイネットワーク(PwC P&Cの前身)株式会社入社以来、内外資系企業を中心とした、幅広い業種において組織・人事戦略に関わるコンサルティングに10年以上携わる。最近では、M&Aにかかわるプレ・ポストディールサポートを一貫して行ない、企業再生ファンドによる企業買収に伴うデューデリジェンス・雇用調整・Day1を見据えた具体的な統合計画を策定、PMIフェーズでは、企業戦略にひもづいた人材マネジメント戦略を立案し、採用から代謝までの人材フローマネジメント設計および人事基幹三制度の制度設計をプロジェクトマネージャーとして推進する。
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