もっと勉強しておけばよかった――「ばっかり読み」のすすめ
諸先輩の中には、忙しさにかまけて経営や専門分野の勉強、そして人としての教養を深める時間を取らなかったことを、後悔している人も少なくありません。
年相応の学びが必要だったことに60歳を過ぎて気づいても、それは後の祭りです。しかし、現実問題として、会社でも家庭でも周囲に振り回されている40代にとって、継続的にじっくり勉強する時間など取れるはずもありません。
そこでお勧めなのが、「ばっかり読み」です。二種類の「ばっかり読み」があるのですが、まずは1分野の本ばかりを10冊くらいまとめて読む方法です。その1分野というのは「法人営業」「販売促進」「コーチング」といったテーマの場合もありますし、「信越化学」「セブンイレブン」「マクドナルド」といった企業の場合もあるでしょう。
とにかくまとめて読むのです。そうすると3、4冊目で同じことが書かれていることに気付き始め、その最大公約数的なエッセンスを把握できるようになります。4、5冊目からは内容は予測できるようになるため、読むスピードにも拍車がかかります。7、8冊目になると今後は、まだ知らないことを探すように読めるようになるでしょう。この濃密体験によって、腹落ちする内容が多くなって、長く記憶に残るという効果が得られるのです。
もう1つの「ばっかり読み」はバイブル読書とも言われる方法で、自分のバイブルとなりそうな1冊を選び、何度も何度も繰り返し読む方法です。目安としては、そのテーマで90分の講演ができる程度まで読み込むのが1つの目標です。
20代、30代、40代と進むに従い自分の時間というものは、どんどん少なくなります。限られた時間であればこそ、読書の効用も最大限にしたいものです。
読書が好き云々にかかわらず、40代には年相応の知見や教養が求められるのが現実ですから、週末時間の午前、午後、夜を6コマに分けるなどして、そのうちの何コマかを自分の勉強に当てるのも効果的なの方法です。
著者プロフィール:大塚 寿
1962年、群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、ヤマメの養殖で留学資金を作り渡米、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)MBAを取得。現在、オーダーメイド型企業研修および法人営業コンサルティングを展開するエマメイコーポレーション代表取締役。また、株式会社宣伝会議の提案営業力養成講座の講師としても活躍中。著書に「職場活性化の『すごい!』手法」「リクルート流」「リクルート式」「25歳からの社会人力」「売れる営業、売れない営業」(以上、PHP研究所)、「資料送っておいてと言われたらチャンスと思え!」(双葉新書)、「バイトでも億稼ぐ不況なのに元気のいい会社」(徳間書店)、「オーラの営業シリーズ」(Nanaブックス)、共著に「伝わる化」「法人営業バイブル」「転職力」(以上、PHP研究所)「部下のやる気を2倍にする方法」(ダイヤモンド社)がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ココで差がつく エグゼクティブのコミュニケーション
- 職人やNPOが大企業と共通する事業の力とは
- 「ワンランク上を目指す人」の人脈は、視点の高さと広さで考える
- もうカリスマは要らない
- グローバルな見識を高める5つのTIPS
- 目標を手放し、天命を生きる
- 世界トップコーチの最先端心理学
- 「陽転思考」のすすめ
- 料理力は仕事力、父親の家庭料理が未来の日本を元気にする
- 終わらない会議はなぜ終わらないのか――意思決定に重要な「数字力」
- 「ワクワク会社革命」の裏側
- 「象の鼻としっぽ」――コミュニケーションギャップはなぜ起きるのか?
- できるビジネスパーソンの貯蓄術
- 勝ち残る会社の成長戦略とは
- 『実践するドラッカー』誕生秘話〜実践に込めた想い