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「マネジメント・スタイル」が最強のチームをつくるビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

理想とするチーム運営の姿を、「分かっているができない管理職」と「分かっていてできる管理職」がいる。この違いは、いったいどこにあるのか?

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 マネジメント・スタイルには、善し悪しやレベルの高低はなく、あくまでもその人が大切にしている軸となる姿勢です。ただし、(1)経験に裏打ちされたマネジメント・スタイルであること、(2)それが成果につながることを理解してもらうこと、(3)自ら一貫して実践し続けること、この3点がそろっていることが重要です。

 優れた管理職は、このような自分らしいマネジメント・スタイルを持っています。一流のシェフが、こだわりのある自分流の料理の軸を持っているのと同じです。

「マネジメント・スタイル」がチーム文化をつくる

 Gさんが、日頃から「ノー・サプライズ・ルール」を宣言して実践していれば、部下は上司だけでなく、同僚に対しても「ノー・サプライズ・ルール」を実践するようになります。その結果、チーム全体に風通しの良いコミュニケーション環境と信頼感が生まれ、協力し合って成果を目指すチーム文化が築かれていきます。

 Sさんも、「Yes/Noルール」を徹底すれば、チーム全体に「Yes/Noルール」が波及していきます。部下同士のコミュニケーションにおいても、あるいは他部門との調整においても、まずは自分で考えてみるといった習慣ができ、考えるチーム文化が生まれてきます。

 サントリーの創業者・鳥井信治郎氏の、自由闊達に新たなテーマにチャレンジすることを促す「やってみなはれ」も、一種のマネジメント・スタイルでしょう。それが会社の文化となり、社風としていまのサントリーに引き継がれています。

 カー用品販売会社イエローハットの創業者・鍵山秀三郎氏の、平凡なことをひとつ一つ積み上げることを徹底的にやることで、大きな力を生み出そうという「凡事徹底」も、マネジメント・スタイルと言ってよいでしょう。

 チーム運営においては、マネジメント・スキルも重要な要素ですが、同じレベルのスキルを有していても、それを発揮するための土台となるマネジメント・スタイルによって、チームの雰囲気や活力は大きく変わってきます。どんなに交渉力があっても、業績評価時にネガティブ・サプライズを起こすような上司は信用されません。高い判断力のある上司でも、一方的に正解を出し続けていれば、部下は次第に依存体質になります。

 管理職にとって、自らの業務経験から生み出したマネジメント・スタイルの有無が、軸のぶれないチーム運営のカギとなります。

 著書「外資系エグゼクティブの逆転思考マネジメント」では、マネジメント力により一層の磨きをかけたい方のために、従来の常識を少しだけバージョンアップさせる考え方や方法を、このような形で具体的な事例と共に紹介しています。

著者プロフィール:櫻田毅(さくらだ たけし)

人材活性ビジネスコーチ/アークス&コーチング 代表

造船会社で深海調査船の開発に携わった後、証券会社勤務を経て米国系資産運用会社のコンサルティング部門長に就任、数十兆円規模の資産運用アドバイスを行うチームを率いる。自律的な行動とチームワークを重視した、成果を出し続ける組織をつくりあげた手腕を買われて、執行役COOとして経営に携わる。現在、「自律型社員の育成」「成果を出すエクセレントマネジメント」をコンセプトに、講師・ビジネスコーチとして人の成長支援に携わる。新聞へのコラム連載などの執筆活動も行う。「全国・講師オーディション2013」にて3位。大正大学講師。九州大学大学院工学研究科修了。


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