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21世紀のビジネスに大事なのは「モノ」より「共感」――10年後も生き残るための4つの考え方ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

来るべき新たな波に乗るために。10年後のあなたの場所を確保するために、知っていたほうがいいこととは?

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 それは、当時最先端のメディアであった「朝日新聞」に掲載されたから。もし、「吾輩は猫である」が、知人の何人かしか見ない狭い同人誌に掲載されたとしたら、いくら内容がよくても浮かばれません。

 最先端のメディアで、そのメディアに適した形で、提供したから成功したのです。

 今、IT業界も逆転・下剋上がどんどん起こっていますが、結局のところ、新しいメディアやデバイスに合わせたコンテンツを提供した会社が勝っています。要は、「何をやるかよりも、どこで(何で)やるか」のほうが大事、ということです。その時代時代でメディアは変わります。メディアやデバイス、決済方法に合わせて、自らのコンテンツやサービスを作りだしていく必要は、今後ますます高まると思います。

 事業の本質は"顧客創造"です。そのためには、お客さんに真っ先に近いデバイスで、寄り添うことが大切です。

なぜ、「イーロン・マスク」のような起業家が登場したのか?

 イーロン・マスクをご存じでしょうか? 彼はPaypalを創業した後、テスラモーター(電気自動車)、スペースX(宇宙ロケット)、チューブ(高速鉄道)を起業して、いずれも成功させています。すべて違う分野のように見え、彼の才能の広さがうかがわれますが、逆に考えれば、現在はイーロン・マスクのような人物が登場できるほどの世界である、ということです。

 今の時代、誰もが最高の技術に関する知見にアクセスすることができますし、必要なものを調達するための可能性があります。おそらくイーロン・マスクは、「この世のあらゆる資源は調達し得る」と考えているのではないでしょうか。

 大抵の人は、「あるもので済まそう」と考えてしまいます。これは、分業とネットワークが十分でなかった20世紀の発想です。

 しかし、イーロン・マスクの生まれた今は、飛び抜けた構想と信用と、人のためになる事業をしようという公共精神があれば、あらゆるものにアクセスして、構想を実現できる可能性があるのです。ともすれば、20世紀的な発想で「それはできない」と自分の可能性を閉じてしまいがちですが、実際には可能性はさらに広がっているのです。

21世紀の3Cとは

 最後に21世紀を生き抜くために必要な3Cについて話しましょう。

 20世紀に必要だったものは、キャッシュ(お金)、コネクション(人脈)、コンペティティブネス(競争力)の3Cでした。

 しかし今後は、キュリオシティ(好奇心)、クリエイティビティ(創造力)、クレディビリティ(信用力)となります。今、人工知能(AI)が人間の仕事を奪うのではなどといわれていますが、この3つは、決してAIにはできないものです。

 好奇心をもって異文化にあたり、そこから触発されて何かを生み出す。そして信用力は、人間関係を結ぶ原点となります。場所や環境を変えることで、新しい視点や問題意識を手に入れ続けること。これが、AIに負けない仕事のコツになるのでしょう。

著者プロフィール:山口揚平(やまぐち ようへい)

事業家・思想家。早稲田大学政治経済学部卒。東京大学大学院。1999年より大手外資系コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供する。2010年に同事業を売却。クリスピー・クリーム・ドーナツの日本参入、ECプラットフォームの立ち上げ(のちにDeNA社が買収)、宇宙開発事業・電気自動車(EV)事業の創業・投資および資金調達にかかわる。その他、Gift(ギフト:贈与)経済システムの創業・運営、劇団経営、世界遺産都市ホイアンでの2店舗創業(雑貨・レストラン)・海外ビジネス研修プログラム事業、日本漢方茶事業、アーティスト支援等、複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演活動を行っている。専門は貨幣論・情報化社会論。 NHK「ニッポンのジレンマ」論客として出演テレビ東京「オープニングベル」、TBS「6時のニュース」日経CNBC放送にコメンテーターとして出演。慶應義塾高校非常勤講師、横浜市立大学・福井県立大学・アカデミーヒルズなどで講師をつとめた。 著書に、『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座』(日本実業出版社) 『世界を変える会社の創り方』(ブルー・マーリン・パートナーズ)『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』(アスキー・メディアワークス)『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』(ダイヤモンド社 )『10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと』(SBクリエイティブ)等がある。


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