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「マジメ」から「クリエイティブ」へ――どうすればクリエイティブになれるのか?ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

「クリエイティビティなんて、天から選ばれた一握りの人たちのものでしょ」と思いがちだが、実際には全ての人が「クリエイティブになれる素質」を持っている。

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 しかし、実際には全ての人が「クリエイティブになれる素質」を持っている。なぜか。

 あなたはコトバを話せるだろうか? もちろんだろう。だからこの原稿を読んでいる。ならば大丈夫。クリエイティブになれる素質は十分にある。

 学校に行く前の幼児期に、あなたはコトバを話せるようになるプロセスで、「どんどん情報を取り入れ」「解釈し直し(=リフレーム)」「コトバを結び付ける(=統合)」を、必ず実践している。つまり、あなたは人生において、リフレームと統合を実施してきた実績が既にあるのだ。

これから「場」と「仲間」はどう作るのか?

 クリエイティブになるためには、「好奇心」や「勇気」が必要だ、ともよくいわれる。それは正しい。しかし、その種(タネ)は全ての人が持っている。しかし、その種が芽を出すには、それ相当の環境が求められる。必要な「土」や「光」に相当するのが、「場」と「仲間」なのである。

 一方、今皆さんが働く組織の環境はどうなっているだろうか?

 場が、仮面ライダーの悪の組織ショッカーのように、同じ服を着て同じように「イー!」と言わなければならない環境であれば、それはクリエイティブな環境と対極にある。また、仲間がいない、いたとしても意志がバラバラであれば、それは「桃太郎が一人で鬼が島に挑む」ようなものであり、こちらもクリエイティビティは発芽できない。

 「新しい価値をどう発想し」「どう組織で意思決定するのか」のForesight Creationのプロセスを描いた著書「ザ・ファースト・ペンギンス 新しい価値を生む方法論(講談社)」では、主人公が仲間とともに8つの玉を1つずつ手に入れながら新しい価値を生み出していく。まさにクリエイティブになるには何が重要か、という物語である。

 クリエイティブをうたう以上、書籍自体をクリエイティブなものにしたい、との思いから、絵と文章を統合したり、読者が折り紙をするミッションがあったり、本の帯を使っての謎解きがあったりと、さまざまなチャレンジを施している。これらを実現するために、デザイン・プロデュースとしてziba tokyoの平田代表に参画してもらった。

 まさに、本稿の趣旨である「マジメ」から「クリエイティブ」へのリフレームを「本」として体現しようとしているのである。

 この物語においても、カモミールという「安心してボケられる場」と、ジョージ君やアートさんやメタちゃんといった「志を同じくする仲間」が、重要なファクターとして登場する。

 今後は働き方も大きく変わるだろう。第一歩は兼業が許容されることだろうか。そうなれば、まるで学生時代のクラブ活動のように、「同じ意志」をもとにしたコミュニティーに集まって、クリエイティビティを学び続けられることになるだろう。

 私はそういう場を、Foresight Schoolを起点として作っていきたいと考えている。そうすれば、皆さんも「場」と「仲間」を得ることができる。

 マジメからクリエイティブにリフレームするための場は、これからあちこちにできてくるのではないだろうか。

著者プロフィール:松波晴人

大阪ガス行動観察研究所 所長。オージス総研 行動観察りフレーム本部。大阪大学共創機構産学共創本部招へい教員。1966年生まれ。神戸大学大学院工学研究科修士課程修了後、1992年に大阪ガス入社。米国コーネル大学大学院にて修士号(Master of Science)、和歌山大学にて博士号(工学)を取得。2005年、行動観察ビジネスを開始。2016年から大阪大学でForesight Schoolを主宰。著書に『ビジネスマンのための「行動観察」入門』(講談社)、『「行動観察」の基本』(ダイヤモンド社)、寄稿に「ハーバード・ビジネス・レビュー『行動観察×ビッグデータ』特集」、『ザ・ファースト・ペンギンス 新しい価値を生む方法論』(講談社)がある。


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