コロナ禍のいまリモートコミュニケーションスキルを身につければ一生ものに:ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(2/2 ページ)
新型コロナウイルス禍により、多くの企業がリモートワークを導入しているが、コミュニケーションの不自由さから生産性が低下する企業もある。リモートワークで生産性を向上させる効果的なコミュニケーションを学ぶ。
心理的安全性の高い場の創出では、リモート/対面での会議のファシリテーションスキルを向上することが重要。仕事の任せ方では、目的、目標を明確にしたミッション型のアサインにより、権限の委譲と目的・プロセスの合意を行い、進捗確認とフィードバックを実施。評価制度では、評価指標を明確にし、成果ベースの評価を行う。
「危機的な状況下において従業員は、信頼、思いやり、安心感、希望を求めています。もっともポジティブな影響を与えてくれているリーダーは、部下に対し、日々の生活の中で、信頼、思いやり、安心感、希望を提供できることが必要です」(長田氏)
すぐに生かせるリモートコミュニケーションのコツ
リモートコミュニケーションは、やり方さえ間違えなければ効率化できる。会議に必要なファシリテーションスキルは、相手をよく観察し、共感、傾聴、承認することが重要。次に、ティーチング、フィードバック、コーチングにより、相手に働きかけるスキルが求められる。
さらに印象管理により、上司の圧力を感じさせないことが重要。画面に映る自分の顔を見て、部下が話しやすいと思う印象を与えなければならない。例えば、ニクソン対ケネディの大統領選では、当初はラジオによる選挙戦を展開したニクソンが優勢だったが、最終的には徹底的にテレビを活用したケネディが圧勝した。
長田氏は、「現在、コミュニケーションが対面とリモートのハイブリッドに変化しています。いまリモートコミュニケーションのスキルを身につければ一生ものです。そのためにはいくつかのコツがあります」と話す。対面とリモートコミュニケーションの違いは、表情が硬く見える、言葉が冷たく感じる、距離が遠く感じる、反応がつかみづらいなど。
対策としては、表情にメリハリを持たせる(笑顔でポジティブな雰囲気に)、声のトーン・大きさは2割増し、ボデーランゲージで距離感を近づける、深くしっかりとうなずくこと。特にボデーランゲージでは、自己表現力と感情読み取り能力の向上が重要になる。
自己表現力の向上では、まず姿勢、視線を正しくする。対人距離も重要で、バストアップで表示して、手の動き、しぐさが分かるくらいが自然になる。身体接触も重要で、某企業のリモート会議では、最後に参加者全員で画面越しにハイタッチをしている。これだけでも、つながった感を得ることができる。
長田氏は、「リモート会議では、最初の60秒間、正しい姿勢、自分らしい笑顔をつくることが効果的です。正しい姿勢で、口角を上げ、目じりにカラスの足跡が出るくらい笑うことが重要です。マスクをしていても、目で笑うことはできます。事実をしっかりと聞く言語傾聴と、語っている人の気持ちを感じ取る感情傾聴も重要になります」と締めくくった。
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