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寝る子は育つ?――リーダーこそストレス回復効果が圧倒的に高い「睡眠」を改善すべきだITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(2/2 ページ)

自身の睡眠をよいものにすることに関心があるかと聞くと約9割が「関心がある」と答える。睡眠を通じてメンタルを改善することで、生産性の向上も期待できる。

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(2)ゴールデンタイムに寝ないといけない。

 一般的に、22時から2時、または23時から2時が就寝のゴールデンタイムといわれているが、これには根拠はない。いつ寝ても、最初の90分がゴールデンタイムである。

(3)寝具はお金をかけないといけない

 最近の寝具は、値段の高いものが多い。確かにトップアスリートだと回復に差は出るが、一般の人の睡眠時間や質は変わらない。寝具は値段より相性、適度な買い換え、メンテナンスが重要になる。

(4)寝る前にコップ1杯水を飲まないといけない

 人は寝ている間にコップ1杯分の水分が無くなるので、寝る前にコップ1杯の水を飲まないといけないといわれるが、寝る1時間前からできるだけ水分を取らない方が夜中にトイレに行かなくて済むので、熟睡できる。

(5)寝起きにコップ1杯水を飲まないといけない

 寝ている間にコップ1杯分の水分が無くなるが、これは血液中の水分。朝起きてすぐに水を飲むことで脳も体も目覚める。ただし、寝ている間に口の中で悪玉菌が繁殖するため、起きた直後はうがいをしてから水を飲む方がよい。

これからの時代は会社が社員の睡眠をサポートする

 そもそも睡眠を改善するには、どうすればいいのか。角谷氏は、「睡眠改善の方法は、実はシンプルで、(1)環境を改善する、(2)ルーティン化する、(3)仕組みや機能を使うという3つのポイントです。いろいろな睡眠改善本が出ていますが、書いてあることはどれも同じです」と話す。

 例えば(1)環境を改善するためには、5つの方法がある。1つ目は、照明環境である。寝る1時間前に、一般的な家庭用の照明である500ルクスの光を浴びると、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が60%になってしまう。そこで調光ができる照明器具を使い、寝る1時間前には200ルクス程度にし、白い光ではなく黄色の光にすると効果がある。

 2つ目は、時計環境である。スマートフォンを時計代わりに使っている人は多いが、スマートフォンはブルーライトがテレビの7倍程度。ブルーライトは体内時計を狂わせるという研究結果が発表されている。そこで目覚まし時計を用意する。3つ目は、暗闇環境である。朝日で目覚めたいのでカーテンを開けて寝る人は多いが、星の光や街灯の光は睡眠の質を下げる。そこで遮光カーテンを利用する。

 4つ目は、寝巻き環境である。ジャージーやパーカー、スエットで寝ている人は、睡眠の質が低下する。パジャマにすると、睡眠効率が向上する。ベストは、シルクのパジャマである。5つ目は、環境ではないがお風呂である。体の疲労、精神の疲労ともに、入浴なし、シャワー、お風呂の順で明確に差が出る。温度は、少しぬるめの40度程度がよい。

 角谷氏は、「これからの時代は、会社が社員の睡眠をサポートすべきです。これにより、うつ予備軍が減ります。不眠症が最もうつとの相関性が高く、睡眠を通じてメンタルを改善することが期待できます。また個人でクリニックに行くと保険適用外になり、高額な費用がかかるので、会社が行動変容することが必要です。睡眠を改善することで、行動が変わり、生産性が向上することは数値で証明されています」と締めくくった。

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