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ソフトバンク流 数値化仕事術のキ――ビジネスで本当に使える数値化仕事術ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

数値化仕事術の背景にあるツボとその活用について知って、ビジネスで本当に使える数値化仕事術を理解してほしい。

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プロジェクトを成功させるための定例会とは?

 さて、この「ミラーのマジカルナンバー7±2」はビジネスの現場ではどのように関係すればいいのでしょうか? まず最も効果が分かりやすいのはプロジェクトマネジメントです。読者の皆さんの多くがプロジェクトに参加したことがあるでしょう。

 言うまでもなく、プロジェクトとは、日々同じことを繰り返すルーティーン業務とは違い、ある特定のゴールを特定の期日までに一定のコストで達成することが求められる業務です。期日が決まっていますからプロジェクトのメンバーにスケジュール通りにタスクを達成してもらうことが極めて重要です。

 このようなプロジェクトを間違いなく期日に完了するために重要なのは、それぞれのタスクの進捗確認のための定例会です。この定例会ですが1週間に1度行うのがソフトバンク流です。

 なぜならば、人間は「ミラーのマジカルナンバー7±2」に説明する通り2週間の間では自分が担当しているタスクを10営業日の中でどのように割り振ったら良いか分からないからです。実際、読者の皆さんも2週間先が期日の仕事は、「来週やろう」と言って放置しておくことが多いのではないでしょうか? これはまさに「ミラーのマジカルナンバー7±2」が見られる良い事例なのです。ですから、無駄な時間を作らずプロジェクトを期日までに確実に完了させるためには、定例会は1週間に1度行うことが望ましいのです。

「スパン・オブ・コントロールの原則」とは?

 また、経営学の分野で「スパン・オブ・コントロールの原則」という概念があります。1人の管理者が管理できる部下の人数には限界があるという考え方です。一般的には5人から8人までが限界とされています。これは、もともと軍隊で使われていた概念でしたが現在は、ビジネスの分野でも適用されています。

 部下の人数が増えれば管理者の負担は増え、減れば負担も減るのですがやはり8人までが限界とされていることから「ミラーのマジカルナンバー7±2」の事例と考えて良いと思います。なぜなら「ミラーのマジカルナンバー7±2」を超えると適切に業務を分割して部下に分配することが難しくなったり、進捗を管理することが難しくなったりすることは容易に想像がつくからです。

 このように「ミラーのマジカルナンバー7±2」理論は、ビジネスの裏に根幹的な要素として隠れているのです。ぜひ、何かビジネスで困難を感じた場合は、その処理単位が「ミラーのマジカルナンバー7±2」を超えていないかチェックをするように心がけてほしいと思います。もし超えているならば、とりあえず「ミラーのマジカルナンバー7±2」の中に収まる処理単位に細分化してください。飛躍的に容易になるはずです。ぜひ、この理論を活用してみてください。

著者プロフィール:三木雄信(みき たけのぶ)

英語コーチングスクール『TORAIZ(トライズ)』主宰。トライズ株式会社代表、(社)日本英語コーチング協会代表理事。東京大学経済学部卒業後、三菱地所(株)を経てソフトバンクグループ(株)に入社。2000年、ソフトバンク社長室長。通信事業参入時のプロジェクトマネージャーを務める。2015年に英語コーチング「TORAIZ(トライズ)」を開始


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