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東京、12月から1月に行くべきアート展タイムアウト東京のオススメ

東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。

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 東京の人気ギャラリーや美術館で開催するアート展を紹介します。12月から1月にかけては、「三菱一号館美術館」でのロートレックとソフィ・カルの展示やミュシャの作品など、見逃せない展示が盛りだくさん。リストを片手に冬のアート巡りを楽しんでください。


ロートレック作品の展示風景 Photo: Keisuke Tanigawa

 2023年4月からメンテナンスのため休館していた、丸の内の三菱一号館美術館が、2024年11月に再び開館しました。記念すべき最初の展覧会は、19世紀末のパリで活躍したアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec)と、現代のフランスを代表するアーティストのソフィ・カル(Sophie Calle)の豪華な共演です。

 ロートレックの多彩な版画・ポスターの表現にフォーカスし、同館のコレクションを中心に、「フランス国立図書館」所蔵のロートレック作品と併せて展示しています。一方、カルは、同館のコレクションを代表するオディロン・ルドン(Odilon Redon)の「グラン・ブーケ(大きな花束)」に着想を得た新作を世界初公開しました。

 「『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」は2025年1月26日まで開催しています。


「ミュシャ展」 ポスター《ヒヤシンス姫》 1911年 チマル・コレクション

 次に紹介するのは、代表的なポスター作品にとどまらない多彩なアルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha、1860〜1939年)の魅力に迫る「ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者」。2025年1月5日まで、「そごう美術館」で開催中です。チェコの個人コレクターであるズデニェク・チマル(Zdenek Trimal)のコレクションから、えりすぐりの作品約170点が公開されています。

 会場では、有名なポスター作品をはじめ、書籍からプロダクトデザイン、素描や水彩、油彩画と多岐にわたる約90点の作品が初来日。唯一無二のレアな直筆作品約60点も展示されています。

 また、挿絵、お菓子や香水のパッケージ、宝飾品を通して、ミュシャ作品に特徴的な優美な女性像と花々を組み合わせたデザインの仕事にも焦点を当てました。加えて、自画像、家族や友人との写真など、ミュシャのプライベートな姿を捉えた資料が豊富なのも同コレクションの特徴です。新たなお気に入りのミュシャ作品を見つけてみてください。


「あつまれ! どうぶつの模様」 帯(部分)[熊、猿、兎、金太郎] 日本 1935年頃

 動物好きなら、「あつまれ! どうぶつの模様」展も見逃せません。2025年3月5日まで、「文化学園服飾博物館」で開催しています。世界各地の衣服に表される動物の模様を集めて、それらの持つ意味を探り、人間と動物の本来あるべき関係を改めて問いました。

 鳥や獣などの動物をモチーフとした模様を衣服に取り入れることは、さまざまな地域で見られます。模様からは、それぞれの民族がどのような動物を目にし、どのように暮らしを営んでいるのかが垣間見えるでしょう。

 また、空を飛ぶ鳥や牙を持つ勇猛な獣など、人にはない優れた能力が備わる動物に畏敬の念や神秘性を感じ、願いを託して模様に盛り込むこともあります。さらに、人間の願望や創造力が現実を超越した空想の動物を作り出し、縁起の良い存在として衣服に表すこともあります。

 本展を通して、衣服に広がる動物の世界をのぞき込んでみましょう。

 「東京、12月から1月に行くべきアート展」では、さらにアート展示を紹介しています。是非チェックしてみてください。

著者プロフィール:タイムアウト東京 編集部

タイムアウト東京は、ロンドンを中心に、ニューヨーク、上海、クアラルンプール、テルアビブ、アムステルダム、シドニーなど、世界108都市39カ国に広がるメディア、タイムアウトの東京版です。「本当に素晴らしいものは、世界のどこであれ誰であれ感動を与えてくれる」という考えの下、日本の優れたヒト、モノ、コト、コンテンツ、サービスを英語・日本語のバイリンガルで発信しています。


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