インドや中国などの経済発展を背景に、経済のグローバル化が進んでいる。企業は、最もコスト競争力を見込める地域から原材料を仕入れ、最適な場所で販売する。日本を経由せず、海外から海外へと輸送する「3国間物流」が増大しているが、その輸送に日本企業を選択する必要はない。
「こうした事態への適切な対応は、日本通運が生き残るために不可欠だ」――NECが12月5〜7日の3日間、開催した「C&Cユーザーフォーラム」で講演を行った日本通運の川合正矩社長は言う。
ビジネス環境の変化が物流企業に与える影響は大きい――このような環境変化に対応するため、日通が取り組みを強化しているのが(1)グローバル化、(2)ICT化、(3)サード・パーティー・ロジスティクス(3PL)、(4)グリーン化、の4つだ。
「ペリカン便」の宅配サービスなどで広く消費者にも知られる日本通運は、前進の国際通運を母体に、1937年「日本通運株式会社法」による国際会社として発足した。その後、全国主要都市の輸送業者を合併し、戦後になって国内航空貨物のフォワーディング(混載業務)にも着手するなど、グローバルロジスティクス企業として業容を拡大してきた。
グローバル化への対応に向けて、日通では、日本、米州地域、欧州地域、アジア・オセアニア地域と、世界をリージョンに分けて統括する4極体制で運営。海外に約1万5000人の従業員を抱え、各国の物流拠点の高度化に力を入れてきた。顧客の在庫を管理するVMI(Vendor-Managed inventory)倉庫の運営や、ジャスト・イン・タイムの納品など、国内と同等のサービスを海外でも提供できるのが強みだ。
中でも今、期待を寄せている市場が、今後急速な経済発展を期待できる中国とインド。物流拠点の拡大に急ピッチで取り組んでいる。
「中国ビジネスの拡大に向け、沿海部から内陸部へと拠点を拡大させている。また、BRICsの一国であるインドは自動車や電機などの産業で今後、飛躍的な発展が期待される。インド市場の開拓も精力的に進める考えだ」と、川合氏は話す。
中国市場の開拓に向けては、2003年に商船三井や上組との共同で、上海-博多間を26時間で結ぶ「上海スーパーエクスプレス」の運行を開始。2007年4月には、インドに現地法人を設置し体制整備を進めている。
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