岐路に立つ日本のコンテンツ産業(後編)
コンテンツを世界に売れる“目利き”がいない?――進出を阻む深刻な人材難(3/3 ページ)
“コンテンツ”のグローバル化から“コンテンツ産業”のグローバル化に
井上 もっとも現在、知的財産権や契約そのものに明るい人材は少なからずいるものの、クライアントのサポートまで行える代理人は極めて少ないというのが実情です。今後は、そうした人材も積極的に育成する必要があります。これらの取り組みを通じ、海外展開を図りたい企業の海外進出を支援できるようになれば、作品の権利を海外で戦略的に活用するといった取り組みも進むのではないでしょうか。
――コンテンツ産業とひと口にいっても、アニメやマンガ、ゲーム、音楽、映画など、その種類はさまざまです。グローバル化によって、もっとも利益の向上を見込めそうなコンテンツは?
井上 市場を的確にとらえ、市場に合致した売り方をすれば、いずれのコンテンツにも大きな可能性があります。例えば、今回のワーキンググループでは、今後、アジア市場が重要になるとの共通認識を持つに至りましたが、ここであれば、日本のセル式アニメにも慣れており、同じアジア系の民族であるため、アニメや映画などは大きな期待が持てます。
一方で、ゲームは海賊版などの難しい問題が残されているため苦労が予想されるほか、マンガも単価が安いため、例えば映画の原作として提供するといった一工夫が必用となるのではないでしょうか。ただし、アジア市場で苦労が予測されるゲームも、欧米市場では大いに期待が持てる。地域ごとに受け入れやすいコンテンツは異なるわけです。
そうした特性を作品に反映させるためにも、単にコンテンツのみを輸出するコンテンツのグローバル化から、地域ごとの特性に応じて地理的な壁を乗り越えコンテンツを製作/提供するコンテンツ産業のグローバル化へ脱却を図ることが、今、強く求められているのです。
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