無計画なITインフラは渋滞する首都高速そのもの(1/2 ページ)

 IT調査会社アイ・ティー・アール(ITR)代表取締役の内山悟志氏は多くの企業のIT戦略をコンサルティングの立場からサポートしている。その中で、危惧しているのがITインフラだ。無計画なITインフラが野放しになっているだけでなく、いまだに拡大を続けているからだ。

 「これまでは、このようなITでも何とかビジネスに追従できたかもしれない。しかし今は、M&Aや分社化、業務提携などがグローバルな規模でダイナミックに行われる時代。ITインフラがそんな状態ではビジネスの速度に適応できない。この状態はオリンピックに間に合わせるために、無理につくった首都高速と同じ。将来に向けた計画性がない」と内山氏。

 行き当たりばったりで“継ぎはぎ”的に追加されてきた企業のITインフラはそろそろ限界に近づきある。経産省がEA(エンタープライズ・アーキテクチャ)についてまとめ、Webサイトで公表しているのもそのためだ。

 内山氏は「ITインフラの問題を解決できるのは、今がラストチャンス」と強調する。

内山悟志氏 ITR代表取締役の内山悟志氏

 そもそも日本企業のITインフラが継ぎはぎ状態になったのには理由がある。1990年代にホストからオープン化に企業は取り組み始めたものの、固定費的なITはバブル崩壊の煽りをもろに受け、IT投資は予算カットの矛先となった。インフラのグランドデザインを見直す機会を得ることなく、オープン化によって次々とアプリケーションが投入され、それに伴ってインフラも拡張されてきた。

 「アプリケーションの業務要件というのは経営者も分かりやすい。だから業務アプリケーションには投資する。インフラはそれに付随するものとしかとらえられなかった」。結果、ITインフラはアプリケーションが増えるままに無計画に構築され、気が付くと重い負担になった。

 「背負うだけで精いっぱいというところまできてしまった」と、内山氏は危惧する。

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