間違いだらけのIT経営
コンサルタントは恨まれて一人前――現場密着し、執念持て(1/2 ページ)
乏しいIT部門の利用意欲
古いデータだが、東証一部上場企業208社を対象に実施した「IT関連コンサルティング・サービス満足度調査」(「日経コンピュータ」2005.5.19)によれば、「(IT部門が)コンサルティング会社を利用したことがない」企業が48%と約半数を占め、そのうち「今後、コンサルティング・サービスを利用する予定がある」が26%と少なく、「利用予定はない」が29%で、「分からない」を含めると74%になる。一部上場企業以外も含めると,コンサルティング・サービスを利用する企業の割合はもっと下がるだろう。IT経営コンサルティングは、あまり評判が良くないようだ。この数字は今も大差はないのではないか。
コンサルタントは、クライアント企業にどのようにかかわって行けばよいのだろうか。経営戦略・業務改革・IT導入などコンサルタントにはいろいろな分野があるが、かかわり方の基本姿勢はすべてに共通する。
コンサルタントの基本的能力あるいは素質として、顧客の立場に立て、論理的であれ、洞察力を持て、コミュニケーションが重要だ、聞く耳を持てなどなどが列挙される。
しかし、クライアントから求められて、しかも成果を挙げるための決定的な要素は何か。
ユーザーを圧倒する迫力で
中堅の小売業A社は、CRMを導入するに当たって独立系ファームにコンサルティングを依頼した。派遣されたBコンサルタントは、一通りの聞き込みや現状調査をした結果、CRMを定着させるために業務改革が必要だとして、必要な手順を踏んで業務改革計画を作成して、早速改革を始めた。Bはすべてが手早く、A社の関係者はついて行くのがやっとだった。そしてBは厳しかった。例えば営業日報作成を習慣化させる準備として、手書きの営業日報を作成させた。
あるいは、入力がシステムの生死を握ると言って、入力の癖をつけるために今までいい加減だった入力を、とりあえず旧システムで徹底させた。しかも、課した宿題に対するフォローアップは徹底した。宿題が未消化だったり、指示した業務プロセスを守らなかったりすると、Bは烈火のごとく怒り出した。「A社は、もう面倒を見切れない!」と、席を蹴ったことは数知れない。
ゼスチュアと分かっていても、A社関係者はオロオロして、Bに従った。陰では、「Bが言ってることは、我々が日頃やろうとしていたことに過ぎない。言われなくたって分かってる」とか、「そんなに今までのやり方を否定されたんでは、責任を持てないよ」とか、ブツブツこぼしながらも、Bの鬼気迫る迫力に押されてBの指示に従った。A社の業務改革は、順調に進んだ。
ITによる経営改革を遂行しようとすれば、旧業務プロセスを否定して新プロセスを導入しなければならない。それを成功させるためには、Bのような強引な手法が求められるし、旧業務に固執する関係者の反感は買うし、そして結果的に人員削減や配置転換につながって行く。コンサルタントは、恨まれて一人前だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「大企業は一朝一夕には変わらない」 NTTデータ冨安寛氏がAI時代に重視する原理原則
-
2
初心者向けの料理教室、男性受講生が過半数に 家庭での調理頻度も増加
-
3
子供の夢をYouTuberからホワイトハッカーに! 具現化を進めるCISO - GMO 牧田氏
-
4
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
5
ほんのちょっと心の持ちようを変えるだけで、人生も毎日も変わる
-
6
経営と現場の板挟みになりがちなガバナンス、優先してやるべきことを明確に――リクルート 鴨志田昭輝氏
-
7
コミュニケーションの質が一変! 心理カウンセラーの「聞く技術」とトレーニング法
-
8
イオン、フィジカルAIで物流改革 配送拠点の自動化率5割達成 深刻な人手不足に対応
-
9
「昆虫サイボーグ」で災害現地の行方不明者ゼロに挑む
-
10
「現実にCtrl+Zはない」──フィジカルAI時代に企業が備えるべき新役務「AIスチュワード」とは
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー