ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
ネットならではの顧客感情マーケティング(1/2 ページ)
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。
勝つための戦い方
「ネットの世界も1円でも多く広告費を払ってライバルを蹴落とさなきゃ勝負にならない。でもウチにはそんなお金はないんです。お金を持っていない小規模な事業主はどうすればいいの?」
これまでマーケティングコンサルタントとして活動する中で、経営者をはじめ、マーケティング担当者、個人事業主の方など、実に多くの人から、会うたびにこのような相談を受けてきた。
わたし自身もいくつかネット企業を経営する身でもある。だから、そう叫びたくなる気持ちは痛いほど分かる。
こんなご時世だ。個人・中小企業はもとより大企業でさえ広告コストは圧迫され、少ない予算の中でなんとかビジネスを成立させなければいけない。かといって、広告を出したからといって確実に売れる保証はない。
このような状況で、どんな選択をすれば業績を上げられるのかと途方に暮れる人々がいる光景は想像に難くない。
強者は巨大な資本力を武器に戦いを挑み、弱者はいとも簡単に押しつぶされる……。資本主義の論理としてはこの状況はしごくまっとうに思うかもしれない。だが、ちょっと待ってほしい。弱者には弱者の勝ち方というものがある。
現にネットの世界では、中小企業をはじめ、1個人であっても大資本が提供するWebサイトをはるかにしのぐ顧客数、売上高を計上するビジネスを実践している人たちは少なくない。
かの有名な中国の孫子が著した兵法書の中に「兵は詭道なり」という言葉がある。これは奇襲作戦により、弱者であっても大きな資本を持つ相手に勝つことができるという意味である。すなわち弱者であっても、やり方によっては自分の何倍も大きなライバルに対抗できるということだ。
今日はこの「兵は詭道なり」をテーマに、われわれ「ゲリラ」がどのように戦えばいいか、「弱者の正しい戦い方」を実践するためのヒントをお伝えしたい。
感情が鮮やかな逆転劇を生む
逆転の鍵を握る要素の1つが「顧客感情」の理解だ。ことWebのマーケティングに限っていえばこれほど重要な要素はない。
そもそも、インターネットでビジネスが難しくなる原因について考えてみたい。1番は、スピードだ。ネットの世界では、物事が変化するスピードが速いゆえ、淘汰のスピードも速い。その変化についていくために、多くのライバル企業は常に新しい「変化」に目を光らせ、ライバルたちを調査している。
ネット特有といってもいい要素に「模倣」がある。技術的に、オフラインの世界に比べて圧倒的に容易である。技術力がある会社ならば、ライバル企業が新しく始めたWebサービスを数日で模倣し、似たようなことを始めるのも可能だ。
「稼げる!」ということが明らかになったビジネスは、その瞬間、怒涛の勢いでライバル会社、新規参入会社による「模倣合戦」が始まる。限られたパイは、一瞬でライバルたちに食いつくされてしまう。そして、どこも似たようなサービスを提供し始める。
わたしの持論では、インターネットの「模倣しやすい」という性質から生まれる大量の「コピー」ビジネスに抵抗しうる唯一の方法は、お客の「感情」をとらえたビジネスを構築することだと考えている。デジタルなインターネットの世界において、「感情」というアナログな、ややもすると「昭和か!?」と感じるような要素が思わぬ最良の対抗策になる。意外な視点かもしれないが、逆転の発想にこそゲリラの活路がある。どういうことか、解説していきたい。
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