Gartner Column
IT「あたま」を丸くしよう(3/3 ページ)
「わたしは、そんなことをあなたに聞いていませんよ。わたしは、IT費用を削減する方法をお尋ねしたのです」とわたしの期待とは真逆の答えが返ってきました。わたしは少しうろたえ気味に、「いや、いまお話をした通り、会社全体のOperation Cost を・・・・・・」と言いかけると、その言葉に被せるように「わたしは、会社全体のOperation Costを削減するMission を持っていませんから、そんな説明はわたしには無用です」と。
ここまで辿り着くのに15分か20分かかったでしょうか。それ以降は、どんな話をしても全くの平行線。もちろん、こんな話もしました。「貴社におけるIT及びIT部門長であるあなたのMissionを変更してくれるように働きかけるのもあなたのMissionではないでしょうか」と、それには「Mission を変更するというMissionはわたしにはありませんから、それはできません。」とお答えになりました。なんともいえない敗北感のようなものを感じた日でした。
珍しいケースではありますが、たまにはこういう方にも出会ってしまいます。このIT部門長は「ITコストを増大させ続けさせたなら、当社はつぶれてしまいます。」ともおっしゃいました。経営者らしい言葉にも聞こえますが、さらに懐疑的になります。IT費用の増大で企業がつぶれたというケースは、わたしは聞いたことがありあせん。それよりも、ITが企業に貢献しなかったために、結果、競争力を失ったとか、ITの導入促進を認めなかったために、従業員の活性化に遅れをとってしまい、会社が元気を失ってしまった、とかはよく聞きますが。
このためには、長年かけて四角くなった「あたま」を少し丸くしてくださると良かったと思います。さて、先述の通り、ITに対する貢献の仕方は各社各様ですので正解はありません。しかし、CIO/IT部門長という役職を担う皆様には、「企業の利益に貢献せずに疲弊だけをもたらさない」ITコスト削減を検討していただきたいと考えています。
読者の中には苦笑されている方もおられるでしょう。皆さんの回りにもこういう方はいらっしゃいませんか?
著者プロフィール:小西一有 ガートナー エグゼクティブ プログラム (EXP)エグゼクティブ パートナー
2006年にガートナー ジャパン入社。それ以前は企業のシステム企画部門で情報システム戦略の企画立案、予算策定、プロジェクト・マネジメントを担当。大規模なシステム投資に端を発する業務改革プロジェクトにマネジメントの一員として参画した。ガートナーでは、CIO向けのメンバーシップ事業「エグゼクティブ・プログラム(EXP)」の日本の責任者を務める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「セキュリティは事業を活かす出汁、責任者はCIMOで目指せ」 - JTB 椎野氏
-
2
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
3
スキルの向上だけでは成長は望めない――より重要になる「成長マインドセット」とは
-
4
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
5
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
6
重要文化財の弁財天像 3Dデータ化で確実に継承へ 「将来に残したい」神奈川・江島神社
-
7
本田技研工業のDXはボトムアップとトップダウンで“Hondaらしく推進”
-
8
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
9
味の素社が挑む“dX”とAI駆動開発――“企画・開発・営業ができる人財”が新規事業を加速する
-
10
話題のチーズティーを飲んでみる
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー