女流コンサルタント、アジアを歩く
アジアの新興勢力バングラデシュは世界への扉(3/4 ページ)
日本企業が取るべきスタンス
最近ようやく日本企業が対バングラデシュとして動き出している記事を目にするようになった。しかし、多くの場合、通常のビジネス取引ではなく、ソーシャルビジネスやBOPビジネスといった「社会貢献」の側面が強く謳われている。これは、当然、中・長期的な戦略展開の中で、まず、ソーシャルビジネスやBOPビジネスを入口にするという考えであろう。重要なのは、その中・長期的な戦略がどのように考えられているかである。以下に、わたしの考えを示す。
かつて日本企業が中国に進出したときには、労働単価の安さに目を付け、中国に生産拠点を構え、それを主に日本市場で売るというビジネス形態であった。また、セールス/マーケティングという観点においては、中国の巨大な市場において、いかに企業や製品のブランドポジションを確立するかということに注力してきた。しかし、バングラデシュに対して、同じような戦略を持つのは誤りである。
バングラデシュの人口は世界7位とは言え、中国の人口に比べればはるかに少ない。世界の企業が生産拠点としてバングラデシュを捉えると、国土が狭いこともあり、労働単価は急速に上昇してしまう。また、土地単価が高く、交通インフラにも問題があるため、労働単価の安さが魅力を持つ期間は極めて限られている。つまり、ソーシャルビジネスやBOPビジネスを入口にした後、中国の次を担う生産拠点と考えるのであれば、それは誤りである。生産拠点としての魅力は、現在のバングラデシュが持つ魅力であって、中・長期で見た場合の魅力とはならないと考えるべきだ。
では、消費市場としてはどうか。バングラデシュは、日本の人口を越える1億4,000万人強の人口であるから、魅力がないわけではないが、中国の巨大な市場に比しては圧倒的に小さい。少なくとも、規模という観点のみでバングラデシュを重要な消費市場と捉えることはできず、当然ながら、中国に次ぐターゲット市場とはならない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
2
「人間洗濯機」が高齢者施設に 福祉の現場に万博技術導入 人手不足解消や産業成長に期待
-
3
高島屋・村田善郎社長 挑戦続けるアバンギャルドな百貨店 ベトナムや新型SCに重点投資 My Vision
-
4
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
5
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
6
森ビルが挑む、DXを通じた「ヒルズライフ」の充実とコア領域の内製化
-
7
どの区立中からも通えるオンライン将棋部発足 休日はリアル、プロ級も指導 東京都大田区
-
8
第52回:「管理」する時代は終わった──AI時代、マネジャーに残された本当の仕事とは?
-
9
CEDEC開幕、AIの最新技術展示 ゲーム開発者向けイベント…日本の魅力発信の講演も
-
10
公共交通インフラの使命を軸に、事業継続への攻めと守りを大胆に実行する - JAL 鈴木氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー