50代ミドルを輝かせるキャリア開発支援
なぜ今50代のキャリア開発支援が必要なのか(1/3 ページ)
企業戦力としての50代社員の活用を見直すべきとき
50代社員の評価は概して、マイナスイメージがつきまとう。「給料の割に成果が少ない」「管理職としてホントに仕事しているの?」など若手からみても経営層からみても分が悪い年代だ。一方、50代社員の言い分もある。「30年も会社に貢献し頑張ってきたし、会社のリストラ時期も支えてきた。それなのに賃金は頭打ち、役職定年や、給料半額の再雇用制度とは一体会社は何を考えているのか?」と。
どうしたらそんな50代ミドルを輝かせ、前向きに企業貢献させることができるのか。いずれにしても企業は50代社員を60歳の一次定年まで、そして法的にはその後も65歳まで雇用せざるを得ない。しかも人件費コストは若年層の倍はかかる。豊富な経験と能力を持つこの層を活用しないのはあまりにもったいない。若年者の採用が進まない中、この50代ミドル層をいかにして経営活動に貢献させるかが、企業の生産性を大きく左右する時代になっている。50代ミドルを会社の“人財”として輝かせ続けるにはどんな処方せんがあるのか。本稿の連載を通じ、人事・キャリアコンサルタントの目を通して見た現場の実感を中心に、読者の皆さんとこの問題を考えたい。第1回は50代のキャリア開発支援がなぜ必要かを考える。
70歳まで元気にはたらく=「70歳生涯現役社会」が現実味を帯びてきた
少子高齢化の進行が止まらない。不況が長引く中、企業の採用抑制が続き、人手不足を派遣社員の正社員化や中高年世代の雇用延長で補おうとしている。いや、現実にはこの先10年、20年を見た場合、企業を一度引退した人の7割・8割が再び働かなければ生産人口がまかなえないといわれている。少子高齢化を補完する労働力として、高齢者や女性のパワーが改めて注目されている。
わが国の人口の平均年齢は45歳だそうだ。人口構造からみて、かつてのように若年社員が大量に企業に採用され、ピラミッド状の年齢構成の組織を作ることは無理だろう。今後増え続けるミドル・シニア層を活性化し、企業活動に有効活用することが、生産性と収益向上に結びつけるための現実的取り組みとして必要だ。また、年金の支給開始年齢が引き上げられ給付額も減額必至の中、65歳までの雇用が義務付けられているが、自分の生活は自分で守り、70歳まで働く、そんな生涯現役社会が到来しようとしている。
キャリアショックの連続に直面する50代
われわれ働く者は、思い描いていたことが全く違っていたり、当然続くと思っていたことが断絶してしまったりした時、大きなキャリアショックを受ける。20代では入社前の職場のイメージと、現実の職場や仕事とのギャップによるショックが起こりやすい。30代は昇進の差異や能力不足への焦り、40代は仕事の重圧と昇進・昇格への限界の実感がこれに当たる。50代になるとこれらに加え、さらに役職定年、定年後の不安など大きなショックが一気に負担となって圧しかかる。
50代は昇進・昇格の余地のある人は限定的となり、多くは現職維持になる。50代前半から役職任期制・役職定年制がしかれ、原則、能力・実績の有無にかかわらずその職位を退く。そしてほどなく、定年退職か雇用延長かの選択が50代後半で訪れる。新しい仕事や職場では、年下の管理者が上司となる。
まさに『キャリアの下降と離脱』の時期だ。組織の若返りとフラット化の影響を直接受けるのがこの年代である。多くの企業が高齢化に直面しているが、中高年を活性化する経営やマネジメント施策はまだ確立されていない企業がほとんどだ。このキャリアショックをどう乗り越え、意欲を持って働いてもらうかが鍵だ。これは経営の問題であり、個人の問題として放置はできない。この50代層を“お荷物”にしないよう活気づける組織的支援が必要である。
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