SFC ORF 2011 Report
「何か行動しなくては」――“地球丸ごとスキャン”計画の展望、伊藤穰一氏ら語る(2/2 ページ)
放射線とガンの因果関係も分かるように
今後半年ほどで、日本国内ほぼ全ての線量データを取得したいと伊藤氏は話す。また今後は、大量の放射線データと医療データを組み合わせるための活動にも注力するという。
「例えば放射線によって鼻血が出やすくなるという“うわさ”があった場合、鼻血が出た人たちがどこにいるかをデータ化してマッピングすれば、実際の線量と関係があるかが分かるはずだ」(伊藤氏)
また、従来は「放射線とガン発生にどれだけの因果関係があるか誰にも分からなかった」(伊藤氏)という。だが今回のプロジェクトで放射線量を共有し、さらに人々の健康情報をネットワーク上で統計できるようになれば、こうした問題も解消されると伊藤氏は話す。
「日本は今、世界で初めて放射線と医療のデータを組み合わせて解析する機会を手にしている。そのためには大量の医療データを1カ所に集める必要があるが、患者1人1人のプライバシーを守るための技術もたくさんある」(伊藤氏)
医療データを患者自身が利用できるようにするためには、医療制度の壁も大きいと村井教授は指摘する。だが、こうした壁を乗り越えて多くの人々の医療データや健康情報を集められれば、非常に大きなインパクトがあるという。
「例えば東洋医学で用いられる薬は多数の成分が複雑に絡み合って効用を生むため、これまで効き目を科学的に証明しにくいという問題があった。だが、ネット上で多数の人の医療情報が集められるようになれば、東洋医学の持つインパクトを証明できる可能性もある。そのためには患者が自分の健康データを自分で管理できるようにすることが大事。こうした変化は、今後必ず起こっていくだろう」(村井教授)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
レアアースをリサイクル、国内初 三菱電機やダイキンが信越化学と 脱中国の供給網構築へ
-
2
「レッドガス」時代の羅針盤【第三章】従来型グローバルサプライチェーン設計思想からの脱却
-
3
ドコモFG、今秋までに金融AI試験版を開始 投資運用を助言し、若年層取り込み狙う
-
4
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
5
「セキュリティは事業を活かす出汁、責任者はCIMOで目指せ」 - JTB 椎野氏
-
6
第11回:世界の潮流は「これからのリーダーはEQの高いリーダー」。日本にも根付くか?
-
7
重要文化財の弁財天像 3Dデータ化で確実に継承へ 「将来に残したい」神奈川・江島神社
-
8
来春卒業する大学生のIT企業人気ランク NTTデータ1位 Skyが急上昇、富士通も
-
9
「その100時間は、何も生み出していない」――認知科学者・堀田創氏が斬るリーダーの"見えない疲れ"
-
10
勇者に最適な武器を! 世界に羽ばたく日本企業を生み出す - Cloudbase 岩佐氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー